大坪正則(スポーツ経営学)
2011年08月30日
「日本の自治体とプロスポーツの関係構築」は筆者の研究課題の一つなので、8月22日~24日の九州旅行のスケジュールを一部変更して、朝日新聞の担当者と面談した上で、福岡と唐津の市役所を訪ね、ホークスとの提携の現状と将来計画について訊ねた。
唐津市は2006年2月にホークスと交流宣言を締結。ホークスと自治体の提携1号案件となった。そのきっかけは、唐津市出身の藤井将雄選手(2000年、現役中に早世)の存在だった。1995年に藤井選手の後援会が主催する「藤井将雄少年野球教室」がスタート。以降、藤井選手の死後も存続する後援会の主催で毎年1月最後の日曜日の開催が継続している。
唐津市のホークスとの交流は決して派手さはないが、野球教室の外に、「観戦応援バスツアー」(2007年~)、「藤井将雄記念野球大会」(2005年~)、「ベースボールキッズin九州」(2008年~)が毎年開催されており、来年3月には王球団会長の講演も予定されている。
市役所とホークスは、「ダイエー・ホークス」の福岡招致の頃から各種の折衝をしてきたが、ここ数年広範囲になってきたホークスからの要望に対処するため、市役所の窓口一本化を兼ね、今回の協定締結に至ったという。
唐津市に対するホークスの期待は、唐津からの観戦者数を増やすことに尽きるが、福岡市に対しては、(1)交通手段を含む球場周辺の社会基盤整備、(2)観客増加の援助、という2つの目的に集約される。
問題は自治体側だ。
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