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Jリーグは収入を増やして優秀な選手の獲得を

大坪正則(スポーツ経営学)

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

 Jリーグが2010年度のクラブ別財務情報を公開した。Jリーグが情報公開を開始したのが2005年。しかし、その年のデータは不完全だった。そのため、全クラブのデータが揃った2006年度と最新の2010年度を比較して、4年間の推移を考察してみよう。比較上、ここで言うJリーグはJ1のこととする。また、同期間のイングランド・プレミアリーグも併記する。なぜなら、プレミアリーグはJリーグが参考にすべきことが多々あるからだ。

 その理由として、以下を挙げることができる。

(1)プレミアの発足が1992年。Jリーグ開幕の1年前だった。

(2)1991-92のプレミア発足直前の収入は1億7000万ポンド(当時の1ポンド=230円を適用して約390億円)。Jリーグと大きな差がなかった。

(3)プレミアもテレビ・商品化・スポンサーシップをJリーグ同様、一括管理している。

 Jリーグとプレミアリーグの財務内容を表にすると表1のようになる。

拡大【表1】 Jリーグとプレミアリーグの財務分析

 Jリーグとプレミアリーグを財務面から比較すると、Jリーグに覇気がないのに対して、プレミアが躍動的であることが一目瞭然だ。1993年当時、Jリーグとプレミアリーグの収入はほぼ同じだった。しかし、17年後の今、プレミアの収入はJリーグの約4倍。権利処理の仕方は同じなのに、なぜ、かかる格差が生じたのだろうか。Jリーグの経営者の研究課題だ。

 Jリーグの財務諸表は、Jリーグの将来に不安があることを暗示している。特に、多額の累積欠損金の存在は経営を窮屈なものにしてしまっている。経営努力の外に、資本金増強か減損処理による抜本的財務改善が必要である。

拡大Jリーグは収入増が課題だ(写真は浦和のサポーターたち)

 なぜなら、過去と同じペースで赤字が続いた場合、6~7年で資本金を食い潰すことになる。資本金がなくなることは経営破綻を意味するからだ。

 もう一つ問題がある。広告収入が全収入の45%を占めることだ。広告収入の大部分が出資会社の出費であることを勘案すると、早急に広告収入に依存しない体質に改善しなければならない。

 というのも、

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筆者

大坪正則

大坪正則(おおつぼ・まさのり) 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

1947年生まれ。1970年、伊藤忠商事に入社。1981~85年まで、アメリカのニューヨークとデンバーに駐在。情報通信総合企画室などを経て 1986年、NBAプロジェクトマネジャーに。現在、帝京大学経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営学。著書に『パ・リーグがプロ野球を変える』『スポーツと国力』(以上、朝日新書)、『プロ野球は崩壊する!』(朝日新聞社)、『メジャー野球の経営学』(集英社新書)など。2014年3月4日、死去。

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