大坪正則(スポーツ経営学)
2011年09月06日
その理由として、以下を挙げることができる。
(1)プレミアの発足が1992年。Jリーグ開幕の1年前だった。
(2)1991-92のプレミア発足直前の収入は1億7000万ポンド(当時の1ポンド=230円を適用して約390億円)。Jリーグと大きな差がなかった。
(3)プレミアもテレビ・商品化・スポンサーシップをJリーグ同様、一括管理している。
Jリーグとプレミアリーグの財務内容を表にすると表1のようになる。
Jリーグとプレミアリーグを財務面から比較すると、Jリーグに覇気がないのに対して、プレミアが躍動的であることが一目瞭然だ。1993年当時、Jリーグとプレミアリーグの収入はほぼ同じだった。しかし、17年後の今、プレミアの収入はJリーグの約4倍。権利処理の仕方は同じなのに、なぜ、かかる格差が生じたのだろうか。Jリーグの経営者の研究課題だ。
Jリーグの財務諸表は、Jリーグの将来に不安があることを暗示している。特に、多額の累積欠損金の存在は経営を窮屈なものにしてしまっている。経営努力の外に、資本金増強か減損処理による抜本的財務改善が必要である。
なぜなら、過去と同じペースで赤字が続いた場合、6~7年で資本金を食い潰すことになる。資本金がなくなることは経営破綻を意味するからだ。
もう一つ問題がある。広告収入が全収入の45%を占めることだ。広告収入の大部分が出資会社の出費であることを勘案すると、早急に広告収入に依存しない体質に改善しなければならない。
というのも、
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