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多くの男性は(女性も)自分の容姿にはあまり自信を持ってない。私が2007年に15-23歳の男女に対して行った調査でも、容姿に「あまり自信はない」「自信はない」の合計は男女ともほぼ5割近かった。

 だから、若者は容姿にしばしば劣等感すら持つものである。特に、思春期から20代にかけてはそうだ。私もそうだった。何しろ私は、胴長短足で、頭がでかい(ヤンキースの松井と比べたいほどだ)。顔は、下あごが出ているし、唇が厚い。どう見ても美男子、イケメンとは対極にある。異性への関心が強まる年齢で、異性から好まれない容姿を持っていると思えば、劣等感にさいなまれる。

 そういうとき男はどうするかというと、見た目よりも中身で勝負しようとする。勉強やスポーツに励んで、試合で活躍したり、「いい大学」「いい会社」に入ろうとしたり努力する。私自身はモテるためにスポーツをしたり勉強をしたりする人間ではないが、私の時代には多かったと思う。

 もちろん就職してからは仕事で頑張る。そうすれば、見るべき人はちゃんと見ていて、仕事ができる男性が好きとか、一生懸命仕事をしている男性の姿が好き、なんていう女性が必ずいて、自分もいずれそういう人と結ばれるだろうと思っていた。そういう男性は今も少なくないだろう。

 若い時は自分も容姿への自信なんてなかったが、そんなコンプレックスは年を取ると共に克服されていったなあという男性も多いはずだ。仕事で鍛えられて、自分という人間の幅が広がって、自信がついていくと、顔がどうとか、スタイルがどうとかということは些末なことで、女性にモテるかどうかも最後は人間としての魅力如何だよと思っている人が多いだろう。

 しかし現代の若者は、就職すら難しい。年収もあまり伸びない。だから、仕事を通じて自分への自信を獲得し、容姿へのコンプレックスを克服しにくくなっているかもしれない。

 2008年の同様の調査では、さまざまな因子とモテ意識をクロス集計してみた。すると、男性で最も階層意識が低い、つまり下流意識が高まるのは、 ・・・ログインして読む
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筆者

三浦展

三浦展(みうら・あつし) 三浦展(消費社会研究家、マーケティングアナリスト)

消費社会研究家、マーケティングアナリスト。1958年生まれ。一橋大社会学部卒業。情報誌『アクロス』編集長や三菱総合研究所主任研究員を経て、消費・都市・文化研究シクンタンク「カルチャーズスタディーズ研究所」主宰。著書に『「家族」と「幸福」の戦後史』『下流社会』『ファスト風土化する日本』『シンプル族の反乱』『マイホームレス・チャイルド』など。

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