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日本男子テニス大快挙!の世界標準的見方

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

さる18日、100年以上の歴史を持つ男子テニスの国別対抗戦、デビスカップ(デ杯)において、日本はホームコート・有明コロシアムで宿敵インドを破り、1985年以来27年ぶりとなる来年度のワールドグループ入りを決めた。シングルス世界ランキング最高46位の松岡修造選手を擁した時代に一度も実現しなかった快挙であり、男子サッカーと同じ、世界のベスト16入りとなった。(以下、注記ない限り世界ランキングはすべて男子シングルス)

 欧米の選手との体格・体力的な差が比較的少なかった一昔前までの女子テニスと比べて、男子のテニスは長らく(現在の女子も)この埋めがたいフィジカルの差がそのまま世界への壁となっている。四大大会(全豪、全仏、ウインブルドン、全米)を頂点とするワールドツアーの本戦にコンスタントに出場できるのは、世界ランキング100位以内だ。ここに継続して定着していた日本人男子は、この30年間でたった2人、1990年代前半の松岡と、現在のエース錦織圭(にしこり・けい)選手だけだ。178cm70kgという、ワールドツアーの中で驚くべき華奢な体を、世界的に高く評価されるテニスセンスで補って、発展途上の21歳ながら、すでに世界ランキングは現在55位(最高46位は史上1位タイ)にある。今回も、直前の全米オープンでの怪我を押して出場し、エースとして無難にシングルス2勝を収めた。

 デ杯の試合形式は、シングルス4試合ダブルス1試合、重複出場可、なので2~4人の選手で戦う。日本は錦織をエースに、今回インドのエース(世界65位)相手に金星を挙げた杉田祐一選手(23歳、175位)、今回はダブルスに出場し世界ダブルストップ10のペアに惜敗した伊藤竜馬選手(23歳、122位)今回出場はなかったがこれまで錦織と共にコンスタントに勝ち星を挙げてきた添田豪選手(27歳、116位)、の事実上4人の選手で今シーズンを勝ち抜いてきた。

 近年のデ杯は、世界1位(ジョコビッチ)と13位を擁するセルビア、世界2位(ナダル)、5位(フェレール)、以下10人以上のトップ100ランカーがいるスペインを頂点に、ヨーロッパの国が圧倒的強さを見せている。世界3位(フェデラー)と19位を擁するスイスは、今シーズンはワールドグループ落ちして欧州予選から戦っている。今シーズンのワールドグループの国とプレイヤーの顔ぶれを見る限り、チームランキング23位の日本は、残念ながら貧弱と言わざるを得ない。今後この地位を維持するには、錦織を含めた選手たちの相当な実力の伸びを必要とするだろう。

 この点、ようやくワールドツアーの予選~本戦出場レベルで回れるようになってきた、錦織以外の日本人各選手たちの一層の奮起も望まれるところだが、やはりその刺激の根源は、錦織の今後にかかっていると言ってよい。13歳から米国で世界標準のテニス教育を受け、世界の競争の中ですでに10年近く戦い抜き、ワールソツアーの優勝や、世界トップ10選手を次々に撃破するなど、すでに十分な実績を積んでいる錦織の未来は、すでに度重なっている怪我さえなければ、明るい。松岡の実績など軽く越えていくであろうことを、松岡自身も認めている。

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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