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小沢氏と元秘書の共謀、立証は前途多難

市田隆

市田隆 朝日新聞編集委員(調査報道担当)

政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で強制起訴された民主党元代表・小沢一郎被告(69)の公判が6日、幕を開けた。小沢氏の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、小沢氏が、元秘書らの政治資金収支報告書への虚偽記載を認識していたかどうかが最大の焦点だ。だが、検察官役を務める指定弁護士の冒頭陳述の内容で見る限り、両者の共謀の立証は、前途多難との印象を受けた。

 検察審査会の議決を受け、指定弁護士が起訴した内容によると、陸山会が2004年10月12日ごろに小沢氏から4億円を借り入れ、同月29日に東京都内の土地を総額約3億5千万円で購入。だが、小沢氏は事務担当秘書だった石川知裕衆院議員(38)らと共謀し、この4億円を04年分の収支報告書に記載せず、土地代金も05年1月7日に支払ったと偽るなどして、04、05年分に虚偽を記載したとされる。

 指定弁護士は冒頭陳述で、この共謀を裏づけるとした様々な経緯を説明。(1)石川議員が04年10月24日ごろまでに4億円を簿外処理することと土地の取得時期を05年にずらす必要があることを小沢氏に説明し、了解を得た(2)石川議員が05年3月下旬ごろ、陸山会など関係5団体の収支報告書を提出する前に、小沢氏にその内容を説明。小沢氏は、04年10月の石川議員の説明から、陸山会の報告書案に4億円を記載していないことや土地の取得時期を05年にしたことを十分に理解していたため、これを何ら問題とせず、「分かった。分かった。きっちりやっておいてくれ」と述べ、虚偽の報告書の提出を了承した――などと指摘した。

 (1)と(2)をつなげて読むと、両者の共謀は明確なように思えるが、それほど単純な話ではない。

 (1)の「簿外処理」は、「会計帳簿や収支報告書に一切記載しない」という意味だが、

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