大坪正則(スポーツ経営学)
2011年10月08日
だが、依然として両者の主張には隔たりがあるようで、日本側の一部の関係者が「大会不参加」を口にしている。しかし、日本の野球ファンの立場から言わせてもらうと、日本代表の開催3連覇がかかっている大会に「参加を止めるとは言語道断、何が問題なんだ」ということになる。だから、「何が問題なのか」色々な人に聞いてみた。それらの話を総合すると、以下二つのことに集約できる。
【1】WBCに関係する知的財産権についての認識不足
【2】日米の利益分配率の妥当性
一つ目の「知的財産権」は法律の問題だ。「権利」の保有者が明確になれば、問題解決は比較的容易だ。今回は、この知的財産権に焦点を絞って考察することにする。
「権利」について日本側が主張している主なポイントは以下のように整理できる。
(1)たとえばサッカーでは、日本代表が受け取るべきスポンサー料が国際サッカー連盟に流れることはない。ところがWBCでは、アサヒビールなどの日本企業が「日本代表チーム」のスポンサーなのに、そのスポンサー料はWBCI(WBCの運営会社)に入っている。従って、本来日本側が持っている「権利」を返して欲しい。
(2)代表グッズのライセンスの権利をWBCIが握っているのはおかしい。
これに対して、米国側は
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