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WBCは「不平等条約」か?――(1)知的財産権

大坪正則(スポーツ経営学)

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

 2013年に開催予定の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の金銭的不平等の改善について、日本側(NPBと選手会)と米国側(MLBと選手会)の関係者が話し合いを行ってきた。

 だが、依然として両者の主張には隔たりがあるようで、日本側の一部の関係者が「大会不参加」を口にしている。しかし、日本の野球ファンの立場から言わせてもらうと、日本代表の開催3連覇がかかっている大会に「参加を止めるとは言語道断、何が問題なんだ」ということになる。だから、「何が問題なのか」色々な人に聞いてみた。それらの話を総合すると、以下二つのことに集約できる。

【1】WBCに関係する知的財産権についての認識不足

【2】日米の利益分配率の妥当性

 一つ目の「知的財産権」は法律の問題だ。「権利」の保有者が明確になれば、問題解決は比較的容易だ。今回は、この知的財産権に焦点を絞って考察することにする。

 「権利」について日本側が主張している主なポイントは以下のように整理できる。

(1)たとえばサッカーでは、日本代表が受け取るべきスポンサー料が国際サッカー連盟に流れることはない。ところがWBCでは、アサヒビールなどの日本企業が「日本代表チーム」のスポンサーなのに、そのスポンサー料はWBCI(WBCの運営会社)に入っている。従って、本来日本側が持っている「権利」を返して欲しい。

(2)代表グッズのライセンスの権利をWBCIが握っているのはおかしい。

 これに対して、米国側は

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筆者

大坪正則

大坪正則(おおつぼ・まさのり) 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

1947年生まれ。1970年、伊藤忠商事に入社。1981~85年まで、アメリカのニューヨークとデンバーに駐在。情報通信総合企画室などを経て 1986年、NBAプロジェクトマネジャーに。現在、帝京大学経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営学。著書に『パ・リーグがプロ野球を変える』『スポーツと国力』(以上、朝日新書)、『プロ野球は崩壊する!』(朝日新聞社)、『メジャー野球の経営学』(集英社新書)など。2014年3月4日、死去。

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