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体操ニッポン復活はロンドンに持ち越し

潮智史

潮智史 朝日新聞編集委員

同じ金メダルでも体操で重みがあるのは団体総合と個人総合の2種目だ。日本は男子の団体で銀メダル、個人で内村航平が金、山室光史が銅メダルを獲得、女子は団体で7位に終わり、個人は鶴見虹子が15位、田中理恵が20位に入った。まずは、男女ともロンドン五輪の出場権を手にした。日本体操協会が大会招致の「最大の狙い」としていたのは、女子の出場権獲得。順位はともかく、最低限の目標をクリアした。

 男子個人総合決勝での内村の演技は圧巻だった。6種目を丁寧に積み重ねるように、足先や着地に神経を行き届かせた。3連覇は堅いといわれていたが、そんな予想を一段超えた次元の演技だった。ミスをしない難しさを知る周囲の選手ほど圧倒されたはずだ。彼を脅かす存在は見あたらない。現時点では、来年のロンドン五輪のすべての競技を通じて最も堅い金メダル候補といっていい。

 その内村が3連覇をなし得てもなお、「素直にうれしいけど、まだ悔しい」と表情が晴れなかったのは「一番の目標」に掲げてきた打倒中国をまたも成し遂げられなかったからだ。内村自身も手にしていない団体の優勝である。

 興味深いのは、金メダルを争ってしのぎを削る両国の戦略の違いだ。6種目すべてを演じてこそ体操という考え方が根強い日本はオールラウンダーをそろえて、まんべんなく得点を加えていく。一方の中国は6種目それぞれに強いスペシャリストを用意して、選手をうまく組み合わせて高得点を稼ぐ。金メダルへのアプローチの仕方がまるで違うのだ。

 今回の世界選手権の場合、予選は6-5-4制と呼ばれるもので、チーム6人から各種目5人が演技して、そのうち成績のいい4人の得点を加算して争い、決勝は6人のうち各種目を3人だけが演技して、その3人分の得点で競う6-3-3制だった。つまり、

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筆者

潮智史

潮智史(うしお・さとし) 朝日新聞編集委員

朝日新聞編集委員。1964年生まれ。87年入社。宇都宮支局、運動部、社会部、ヨーロッパ総局(ロンドン駐在)などを経て現職。サッカーを中心にテニス、ゴルフ、体操などを取材。サッカーW杯は米国、フランス、日韓、ドイツ、南アフリカ、ブラジルと6大会続けて現地取材。五輪は00年シドニー、08年北京、12年ロンドンを担当。著書に『指揮官 岡田武史』『日本代表監督論』。

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