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発展途上、五輪メダルへ成長と課題を示す

松瀬学

松瀬学 ノンフィクションライター

果たして女子バレーボールの日本は強いのか、弱いのか。ワールドカップ(W杯)でロンドン五輪出場権(上位3位)を逃しながら、世界ランキング1、2位のブラジル、米国にはストレート勝ちをしてみせた。結局、8勝3敗の4位。チームは確実に成長しているが、まだまだ課題山積、未成熟である。

 山本愛や栗原恵の故障による戦列離脱もあってか、大会序盤は連係プレーにちぐはぐな面があった。とくに痛かったのが、第3戦の中国戦のフルセットでの逆転負けである。第4セット、16-12でリードしながら、ここからミスを重ね、セットを落とした。

 もう少し技術があれば、精神力が強ければ、3-1でとれたゲームである。中国戦で勝っていれば、3位の中国に代わり、日本が五輪キップを手にしていたかもしれない。もちらん、勝負に「たら・れば」はない。

 日本の最大の弱点は、絶対的なエースがいないことだろう。バレーボールはリズムのスポーツ。日本は生命線であるサーブレシーブが崩されると、連係プレーが雑になっていく。悪循環をたどる。流れを変えるエースがいないので、敗れた中国戦やセルビア戦のごとく、連続失点することになる。

 逆に、サーブレシーブさえ安定すれば、どんな相手にも互角に戦える。大会を通して、「ブロックの形」もできてきた。つまりは「ディフェンス力」。サーブとブロック、ブロックとスパイクレシーブを連動させ、拾って、つないで、反撃するのである。

 25歳の木村沙織は成長した。天才肌の選手ながら、エースの自覚も生まれた。大会前の1カ月、190センチ級の男子選手のブロックを相手にしてきたからか、高い2枚ブロックがきても、きっちり打ち切れるようになった。時にはブロックをかわし、時にはうまくブロックアウトをさせる。

 木村の今大会のレシーブ成功率は全選手中3位の59・71%と、昨年の世界選手権から大幅アップした。総得点が、全選手中4位の180点、スパイク決定率は同5位の41・94%で、151得点をあげた。

 もう一人のウイングスパイカー、22歳の江畑幸子も

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筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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