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球場を満杯にするために巨人が先頭に立て

大坪正則(スポーツ経営学)

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

 読売ジャイアンツ(巨人)の清武英利球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)が渡辺恒雄球団会長を非難する記者会見を行った4日後の11月15日、桃井恒和オーナー兼社長が、渦中の岡崎郁ヘッドコーチを含むコーチ陣の留任と来年までの契約だった原辰徳監督と2年契約を結ぶことを明らかにした。

 だが、日本シリーズの最中に公表することが適切だったかどうか、また、今回の内紛の発端がコミュニケーション不足だっただけに、社長の公表内容を球団内部が了承済みだったのか、心配にならざるを得ない。

拡大ドラフト会議で、東海大・菅野智之投手の交渉権を引き当てた日本ハムの津田敏一球団社長。左は巨人の清武英利GM(当時)=10月27日

 一方で、巨人首脳の一連の言動を分析すると、巨人と日本プロ野球機構(NPB)及びその加盟球団との間、さらに言うと米国のメジャーリーグ(MLB)との間にプロリーグ全体の経営手法について本質的な考えの違いがあるような気がする。この機会に、リーグ経営の本質について考えることにする。

 個々の球団がファンに売る商品は「試合」である。この商品は特殊で、自動車やテレビのようにメーカー1社が生産できる代物ではない。必ずメーカー2社(2チーム)が共同して作らなければならない。各球団はリーグに属するチームをフランチャイズの球場(ホームグラウンド)に迎え、年間に定められた数の「試合」を行うと同時に、同数の試合を相手先のホームグラウンドで行う義務を有している。

 この試合からあがるチケット代収入が各球団経営の柱になる。球場での物品販売も、チケットを購入して球場に足を運んでくれるファンが購買者である。したがって、球場を観客で満杯にすること、しかも全ての試合を満席にすることが球団経営にとって理想の姿である。

 それでは、いかなるチームをビジターとして迎え入れても全ての試合を観客で埋め尽くすにはどうすればいいのだろうか。

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筆者

大坪正則

大坪正則(おおつぼ・まさのり) 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

1947年生まれ。1970年、伊藤忠商事に入社。1981~85年まで、アメリカのニューヨークとデンバーに駐在。情報通信総合企画室などを経て 1986年、NBAプロジェクトマネジャーに。現在、帝京大学経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営学。著書に『パ・リーグがプロ野球を変える』『スポーツと国力』(以上、朝日新書)、『プロ野球は崩壊する!』(朝日新聞社)、『メジャー野球の経営学』(集英社新書)など。2014年3月4日、死去。

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