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紅白メンバー発表で見えた暴排条例の効果

久田将義

久田将義 TABLO編集長

先日、大阪ローカルの「増刊たかじんのそこまで言って委員会」というテレビ番組に出演したのだが「今後注目するニュースは」というような質問があった。僕は「暴力団排除条例逮捕者第1号の芸能人は誰か」と答えたのだが、これは収録2週間くらい前の打ち合わせの話だったのでこういうタイトルになった。

 確かに10月1日以降、「暴排条例でどうなるのか」は週刊誌、スポーツ紙で話題になった。事実、大物歌手やタレントと暴力団幹部との写真が掲載されたりした。名物討論番組「朝まで生テレビ」も暴排条例をテーマにした。

 僕も安藤隆春・前警察庁長官が「芸能界と暴力団の関係を重点的に」(大意)とコメントしたのを見て、スケープゴート的に芸能界やボクシング、格闘技、相撲などいわゆる興行の世界から誰か引っ張るのではないか。あるいは一般企業を「やる」のではと想定した。「この会社でもダメなのか」等、前例を作って業界全体に「ここまでやったらアウト」という空気を浸透させたいのではないかと思ったのだ。しかし、時間が経つにつれ考えを修正する事になった。

 暴力団側は今は「様子見」だという。あるいは「慌ても変わらないから今までと同じ」という人間もいる。人それぞれというように彼らもそれぞれなのだが、様子見の雰囲気が強いのではないかと思う。

 一方、芸能界側。「率直に言って」と前置きして大手芸能事務所幹部はこう言った。「芸能界、全部

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