松瀬学
2011年12月08日
伝統の一戦である。だから、その時代の大学の最高レベルの内容であってほしい。とくに早明には高校のトップクラスが大挙、入学している。ことしのワールドカップ(W杯)と比べるのは酷かもしれないが、プレーの精度もチーム戦術・戦略も「雑」なのである。
12月4日の早稲田×明治。両チームとも対抗戦優勝の可能性を失っているからか、国立競技場の観客は3万人にとどかなかった。日本代表のW杯での不振のせいもあろうが、試合自体が妙味を失ってはいまいか。
最後はレフリーの笛で決まった。早稲田がひたむきなタックルを繰り返す。前に出る。明治ボールのスクラムをワンプッシュ、相手ナンバー8が右サイド攻撃を仕掛け、ラックをつくる。さらに3番が左サイドに持ち出そうとした。その時、明治のSH田川明洋がつい、早稲田のタックラーを邪魔するかのようにラックにゆっくり寄っていった。笛が鳴る。「オブストラクション」だった。
途中交代で入ったばかりとはいえ、このSH田川の意味不明の動きは何なのだろう。ゴール前のピンチなのだ。ひとつひとつの動きには必ず、意味がある。単なるコミュニケーションミスか。反則の笛を吹かれたことには同情するが、この散漫な動きはなかろう。
今季の明治は組織的なディフェンスを整備して、復活の兆しを見せてきた。でも、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください