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過熱するドジャース争奪戦の背景を考える   

大坪正則(スポーツ経営学)

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

 米国メジャーリーグ(MLB)のロサンゼルス・ドジャースの売却・買収が4月までに決まると想定され、数多くの資産家や投資家が買収に名乗りを挙げている。買収候補の中には、スポーツファンならば誰もが知っている、プロバスケットボール(NBA)のロサンゼルス・レーカーズで人気選手だったマジック・ジョンソン氏、ニューヨーク・ヤンキースとドジャースで監督を務めたジョー・トーリ氏が投資家グループの一員として含まれている。

拡大ドジャースのオーナーだったピーター・オマリー氏。また球団の買収に意欲を示している

 さらには、元ドジャースオーナーのピーター・オマリー氏や名前が知れ渡っている大富豪も興味を示しており、新聞報道によれば、現在11のグループが買収を目論んでいるそうだ。ドジャースがニューヨークのブルックリン時代を含め、MLBの名門の一つであり、全米にファンを持つ人気球団であること、そして何と言っても全米第2位の市場規模を誇るロサンゼルスをフランチャイズにすることが投資家の垂涎の的になっているようだ。

 球団買収がかくも過熱する背景を考えることは、日本のプロ野球(NPB)の経営手法の改善に役に立つと思われる。何しろ、NPBでは昨年末、今のMLBでは決して起こりえないことが起こったからだ。

 それは横浜ベイスターズ(ベイスターズ)の売却だ。ベイスターズの所有権が東京放送(TBS)からDeNAに移ったが、その時の売却額が2002年の買収額の3分の1に減額していた。大きな都市である横浜をフランチャイズとするベイスターズの価値が9年の間に減少したことは、同時に、リーグ全体の価値も減退させたことになる。

 MLBのオーナーたちの思想と戦略は、NPBのオーナーのそれとは異なるようだ。1876年に世界で初めてのプロリーグであるナショナルリーグが創設される時、オーナーたちは、「利益を獲得することを目的」に球団経営に乗り出した。

 だから、後に続くオーナーたちも「儲かること」と「損を出さない」という「DNA」を引き継いできた。MLBのリーグビジネスは、リーグ全体と個別球団両方の繁栄を目的に行われている。

 従って、MLBのオーナーたちがTBSの行為を知ったら、

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筆者

大坪正則

大坪正則(おおつぼ・まさのり) 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

1947年生まれ。1970年、伊藤忠商事に入社。1981~85年まで、アメリカのニューヨークとデンバーに駐在。情報通信総合企画室などを経て 1986年、NBAプロジェクトマネジャーに。現在、帝京大学経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営学。著書に『パ・リーグがプロ野球を変える』『スポーツと国力』(以上、朝日新書)、『プロ野球は崩壊する!』(朝日新聞社)、『メジャー野球の経営学』(集英社新書)など。2014年3月4日、死去。

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