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契約金問題、巨人は支払い明細を公開したほうが得策だ 

大坪正則(スポーツ経営学)

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

 読売ジャイアンツ(巨人)の新人選手高額契約金問題を世界レベル及び「ファンの目線」(サラリーマンの視点)から考える。

 問題の記事が朝日新聞から出たのが3月15日。私は、その日の午前中に成田からロンドンに発ち、26日に帰国した。ロンドン滞在中に、プレミア・リーグの試合を3回観戦した。また、リーグで3位争いをするア―セナルと降格の崖っぷちにいるQueens Park Rangers の首脳と個別に会談した。

拡大巨人を支えてきた長嶋茂雄元監督と原辰徳監督

 帰国すると、件の契約金問題が、週刊誌の扱いでは「朝日対読売」となっており、論点がずれているとの印象をもった。整理する必要がある。

 プロスポーツを含むエンターテイメントの世界には「スター」と呼ばれる一握りの有名人が存在する。彼らはその分野で努力を重ね頂点に立った成果として破格の報酬を得ている。そのことが、子供に「夢」を、そして一般庶民に「憧れ」を与えるのだ。

 報酬の多寡は実績が基礎になることは言うまでもない。しかし、今回の問題は「スター」に与えられる契約金の多寡と異なる。極端なことを言うと、プロの世界で全然実績のない海の物とも山の物とも分からない新人選手に驚くべき金額が渡っていたのだ。巨人は、巨額の契約金を渡す前に何故以下のことを考えなかったのだろうか。

(1)約700人の日本人プロ野球選手のうち、1億円以上の年俸獲得選手は約70名。年俸最高額は5億円前後。現役の選手よりも高い金額を入団前の新人選手に与えることを「異常」と思わなかったのか?

(2)そんなに金があるのに、入場料はなぜ下げなかったのか?

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筆者

大坪正則

大坪正則(おおつぼ・まさのり) 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

1947年生まれ。1970年、伊藤忠商事に入社。1981~85年まで、アメリカのニューヨークとデンバーに駐在。情報通信総合企画室などを経て 1986年、NBAプロジェクトマネジャーに。現在、帝京大学経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営学。著書に『パ・リーグがプロ野球を変える』『スポーツと国力』(以上、朝日新書)、『プロ野球は崩壊する!』(朝日新聞社)、『メジャー野球の経営学』(集英社新書)など。2014年3月4日、死去。

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