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Pray for Japan~心を一つに~

西岡研介

西岡研介 フリーランスライター

3月24日から沖縄・宜野湾市や那覇市で開かれていた「沖縄国際映画祭」(吉本興業などが主催)が31日に幕を閉じた。今年で第4回の開催となる同映画祭には国内をはじめ、海外13カ国・2地域から102作品が出品され、入場者も過去最高の延べ41万人を記録した。

 この映画祭は2009年のスタートから「Laugh&Peace」をコンセプトにしていることから、上映作品のほとんどが「笑い」や「幸せ」をテーマにしたものなのだが、東日本大震災から1年経った今回、新たに「ドキュメンタリー部門」が設けられ、4作品が出品。うち3作品が震災を題材にしたものだった。

 その中の一つ、スチュウ・リービー監督の「Pray for Japan~心を一つに~」を26日、那覇市内の劇場で観た。

 映画は、主に石巻市を舞台に、津波で5歳の弟と母親、祖父母の4人を津波で奪われた高校生、食べ物も飲み物もないという極限状態で3日間過ごした市立湊小学校の避難所のリーダー、そしてその湊小学校の避難所に、震災発生直後から8週間にわたって住み込み、被災者を支援し続けたパキスタン人ボランティア、さらには津波で全壊した市立雄勝中学校の校長や美術教師ら様々な人々へのインタビューで構成。震災発生直後から4カ月に至るまでの彼らの姿や心の動きを淡々と追うもので、一部民放の「震災特集」にみられる「お涙ちょうだい」的な過度の演出を一切排した映像は、それだけに観る者の心にストレートに響いた。

 その一方で、

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