川本裕司
2012年05月22日
スカイツリーから初めて発信された放送は、4月1日に開局したmmbiが運営するスマートフォン向けの有料テレビ・NOTTV。送信機能の移転では、4月23日のNHK・FMとJ―WAVEという在京FMラジオ2波が一番手だった。さらに、MXテレビが10月ごろに東京タワーとの同時放送を始めたあと、来年4月にはスカイツリーからのみの送信となる予定だ。NHKと民放5社の在京テレビ6局は来年1月ごろに移転し、スカイツリーからの本放送が見込まれている。
スカイツリーのアンテナは、頂上から140メートルまでのゲイン塔と呼ばれる場所に設けられている。送信位置が高くなるため、高層ビルなどで受信しにくかった場所や東京・多摩地区などで聞き取りやすくなる、と言われている。
一方、東京タワーでの「残留」を決めた放送局もある。エフエム東京は、東京タワーの頂上部にあるテレビ局のアンテナが引っ越したあと、来年の早い時期に最新型のアンテナを設置する。高さは現在の220メートルから333メートルに上昇する。エフエム東京編成部は「アンテナの高さは200メートルほど及ばないが、スカイツリーは出力規制があるようで、受信環境はほとんど変わらない」と言っている。
外国語放送のエフエムインターウェーブも東京タワーに残る。ただ、アンテナの位置を高くすると、周波数が隣接する水戸や高崎のコミュニティーFMと混信する恐れがあるため、現在の165メートルの場所は変えない。
関東地方向けのテレビとFMを送信している放送大学も、東京タワーから移らない。従来はCS(スカパー)で実施してきた全国向けの発信が昨年10月、BSによるテレビとラジオの放送が実現したため、費用対効果の観点からスカイツリー移転を見送った。
電波塔を使う放送局のアンテナの「家賃」について、
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