林信行
2012年05月25日
インターネットは「世界一高いタワーはどこか?」といった唯一無二の情報しか探せない道具から「今、私に一番響きそうな情報はどれか?」といったよりパーソナルな情報を導きだせる道具に変わりつつある。
では、人々が関心を寄せる情報とは何か。
1つには趣味趣向にあった情報というのがあるだろう。サッカー好きな人にとっては来月はブラジルワールカップのアジア最終予選が関心事だろうし、IT業界の人ならアップル社が開催予定のイベントで何を発表するかが楽しみでならないだろう。こうした情報からのお勧めは、グーグルをはじめ、これまでの検索サービスでもできた。
しかし、どんなにサッカー好きの人でも、何かサッカー以外にも好き嫌いはあるはずだ。こうした好みや関心に近づく、もっとも有力な手段は、その人がどんな人とつながっているかであり、その人の友達がどんな情報に関心を持っているかだ。そもそも本屋で、友人が「この本は読んで欲しい」と勧めた本を見つけたら、棚を埋めるたくさんの本の中でも、その本だけが特別な存在になるはずだ。
フェイスブックは、そうした情報を導きだすのに必要な人のつながりの情報を押さえている。ツイッターも持っているが、一方的なフォロー(一方的に情報を購読する)もできるので、それほどいい情報ではない。 同サービスは、既に大国の人口に迫る人数が参加登録をしていることもあり、使わないまでも、常に大勢の人がいつでもつながれる状態にある。これは広告媒体としもそうだが、それ以上に情報インフラとして非常に頼もしいことだ。 多くの投資家は、もちろん、そうした部分に期待して同社を投資をしているはずだ。
広告媒体としては、モバイル、つまり、今、もっとも利用が大きいスマートフォンからのアクセス時の広告表示が間に合っていなかったり、上場直前にゼネラルモーターズが効果無しとして広告を取りやめたりと逆風が吹いているが、一方で、上場後にはフォードモーターズが「効果的」と反論。評価がわかれている。
だが、そうした一時の広告効果よりは、
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