2012年06月01日
「疑わしきは被告人の有利に」をめぐる論点は法律家にまかせて、捜査の話をしたい。妻と愛人をめぐる三角関係といった背景が出てくると、単純に、それが原因で二人を殺すという動機があったと見てしまう。殺人事件を深く考察すればそんな理由で殺人が起きることに納得してはいけない。しかし、自分もわかったような気になるし、他人もそう思うであろうから公判も簡単に乗り切れると考えてしまいがちである。その結果は、物証を固める捜査を十分にしないし、「オマエダロ」と自白させてしまえということになる。一審津地裁が無罪を出しているぐらい証拠も自白もいいかげんなものである。
この状況はアメリカで有名なOJシンプソン事件を想起させてくれる。シンプソンは、
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