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スタートダッシュ成功にも冷静に

潮智史

潮智史 朝日新聞編集委員

 ザッケローニ監督が重視していた6月の最終予選3連戦で日本代表は勝ち点7を積み上げた。「私の選手への信頼からいけば、当然の結果だといっていい」。イタリア人の指揮官は3連勝の勝ち点9すら思い描いていたようだ。

 オマーンに3―0、ヨルダンを6―0と下して時点で、30年以上のサッカー取材経験がある記者が「こんなに強い代表は見たことがない」と話していたことを聞いた。全面的に肯定はできないが、否定もしない。オーストラリアと引き分けたことで評価が変わるのかどうか興味深いが、3戦を通して感じるのは、こんなに懐の深い試合ができるようになったのかという感慨だ。

 中東勢の2チームは日本をリスペクトしすぎていたように思う。それは少し前の日本を思い起こせば、しかたないのかもしれない。インテル・ミラノ、CSKAモスクワ、さらにマンチェスター・ユナイテッド移籍と所属クラブを見ただけでも手ごわいと思ってしまうだろう。

 当然、オマーンとヨルダンはゴール前を固める守りから試合に入ってきた。その網をこじ開けた日本の試合運びは巧みだった。

 香川と岡崎が両翼に位置して相手DFの間隔を広げる。中央でスペースを見つけた本田にボールを入れれば、

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