市田隆
2012年07月09日
石川知裕衆院議員の取り調べで、田代政弘検事(45)=6月27日に辞職=に「不適正な行為があった」と指摘しつつ、そのような取り調べがなぜ行われたかの原因、背景事情には踏み込んでいない。全体像が見えないため、取り調べをもとに作られた捜査報告書について「故意にうそを記載したとする証拠はない」とした最高検の結論は、説得力に乏しいのだ。
小沢一郎・元民主党代表の資金管理団体「陸山会」の土地取引事件では、石川氏など元秘書の公判でも、小沢氏の公判でも、田代検事らの取り調べが問題視され、裁判官は「虚偽供述に導く危険性の高い違法不当な方法があった」などと厳しく非難した。捜査・調査結果だけで判断すると、取り調べの問題を深く掘り下げる姿勢に欠けているため、検察側がこの非難を深刻に受け止めたとは考えにくい。
特捜部の捜査は、組織的に行われる。一線の検事は、特捜幹部らが立てた捜査方針に沿って
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