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W杯優勝からのなでしこジャパンの変化

潮智史

潮智史 朝日新聞編集委員

 世界王者なんだから、金メダルだって取れるでしょう。そんな雰囲気のなかで当たり前に決勝に進んだなでしこジャパンはたいしたものだった。

 でも、ロンドン五輪の6戦を通じて感じるのは、プレッシャーに押しつぶされそうな窮屈な姿ではなかったということだ。「メダルを取りたい」。そんなプレーヤーとしての純粋な気持ちに支えられた取り組みだった。

 だから、多くの人々が好感を持ち、多くの人々に支持されるのだと思う。

 世界王者まで駆け上がった1年前の女子ワールドカップ(W杯)の時と比べると、その足取りはかなり違って見える。

 挑戦者の立場にいたW杯では結果を気にするよりも、ボールを細かくつなぎ、守備でも全員で協力するという自分たちのスタイルを出すことに集中できていた。

 それがロンドンでは、メダルという目標と結果を意識するあまり、

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