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【ニューヨークから】 最後のシーズンか? ヤンキースのイチロー 

大坪正則

大坪正則 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

 イチローがニューヨーク・ヤンキースに移籍して1カ月以上が過ぎた。今季の彼は往年では想像もできないほどの打撃不振が続いた。年齢的衰えとの報道もあった。だから、シアトル・マリナーズからヤンキースに移って、心機一転、彼がどのように変わったか、また、今年のプレーオフや来シーズンに備えてどのよう調整をしているのか実際に見て確かめたかった。

 8月末、ヤンキースタジアムでニューヨーク・ヤンキース対ボルチモア・オリオールズの試合を見た。先のニューヨーク・メッツ対ヒューストン・アストロズの下位同士の対戦と異なり(WEBRONZA「メジャーリーグ、低迷チームの来季は?」)、ヤンキースとオリオールズはアメリカン・リーグ東部地区の首位争いを演じているライバルだ。

 7月18日のシーズン中盤ではヤンキースがオリオールズに対して10ゲームの差を付けていたが、今シーズンが残り約5分の1になった8月28日現在、その差は3.5ゲームにまで縮まった。そんな環境下で、両チームがお互い負けられない直接対決となる3連戦の初戦を見た。

 イチローは8番レフトで先発。試合中に4回訪れた打席で彼の現状を語り尽くすことはできないが、彼の現状を象徴するようなことが2回あった。

 一つめは、第一打席と第四打席の2度の三振だ。最も落胆させられたのは8回のノーアウト二塁での場面でのなす術もない3球三振。彼の力の衰えを見透かしたがごとく、相手投手は彼を全く怖がらずに速球で押してきたのだ。彼とは真っ向勝負した投手が、2アウト二塁で打者にジーターを迎えた時は彼を敬遠した。作戦上、オリオールズの判断は正しいと思ったが、半面、「イチローは投手から舐められるようになった」と感じた。

 二つめは、

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筆者

大坪正則

大坪正則(おおつぼ・まさのり) 大坪正則(帝京大学経済学部経営学科教授)

1947年生まれ。1970年、伊藤忠商事に入社。1981~85年まで、アメリカのニューヨークとデンバーに駐在。情報通信総合企画室などを経て 1986年、NBAプロジェクトマネジャーに。現在、帝京大学経済学部経営学科教授。専門はスポーツ経営学。著書に『パ・リーグがプロ野球を変える』『スポーツと国力』(以上、朝日新書)、『プロ野球は崩壊する!』(朝日新聞社)、『メジャー野球の経営学』(集英社新書)など。2014年3月4日、死去。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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