大坪正則
2012年09月17日
8月末、ヤンキースタジアムでニューヨーク・ヤンキース対ボルチモア・オリオールズの試合を見た。先のニューヨーク・メッツ対ヒューストン・アストロズの下位同士の対戦と異なり(WEBRONZA「メジャーリーグ、低迷チームの来季は?」)、ヤンキースとオリオールズはアメリカン・リーグ東部地区の首位争いを演じているライバルだ。
7月18日のシーズン中盤ではヤンキースがオリオールズに対して10ゲームの差を付けていたが、今シーズンが残り約5分の1になった8月28日現在、その差は3.5ゲームにまで縮まった。そんな環境下で、両チームがお互い負けられない直接対決となる3連戦の初戦を見た。
イチローは8番レフトで先発。試合中に4回訪れた打席で彼の現状を語り尽くすことはできないが、彼の現状を象徴するようなことが2回あった。
一つめは、第一打席と第四打席の2度の三振だ。最も落胆させられたのは8回のノーアウト二塁での場面でのなす術もない3球三振。彼の力の衰えを見透かしたがごとく、相手投手は彼を全く怖がらずに速球で押してきたのだ。彼とは真っ向勝負した投手が、2アウト二塁で打者にジーターを迎えた時は彼を敬遠した。作戦上、オリオールズの判断は正しいと思ったが、半面、「イチローは投手から舐められるようになった」と感じた。
二つめは、
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