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7人制女子ラグビー、躍進のワケと課題

松瀬学

松瀬学 ノンフィクションライター

 朗報である。7人制ラグビーのワールドカップ(W杯)女子アジア地区予選で、日本代表が3位となり、来年6月の本大会(モスクワ)出場を決めた。これで強化のスピードは落ちず、「金メダル」を目標に掲げる2016年リオデジャネイロ五輪につながった。

 日本は昨年から徹底して走り込んできた。1年間は試合で結果がでなかったけれど、9月上旬のマレーシア・ボルネオ大会で強豪オーストラリア、カザフスタンを破って準優勝した。これが大きかった。結果を出したことで、強化方針に信頼が加わり、体力アップが選手たちの自信を膨らませた。

 その後の豪州ゴールドコースト合宿でさらにフィットネス強化に励み、組織ディフェンスの整備に取り組んだ。1対1のタックルは間違いなく、激しくなった。結束も強まった。今回のアジア地区予選の3位決定戦。カザフスタンに前半は7-7と同点ながら、後半には走り勝って、結局17-7と勝利を収めた。

 これで上位3チームに与えられるW杯出場権をゲットした。ただ準決勝のフィジー戦では体格と身体能力の差を見せつけられ、7-31と大敗した。どんなにタックルで突き刺さっても、二人目の対応が遅いので、ボールを強引につなげられてしまう。パワー、スピードに余裕がないからで、ここはまず、二人目の意識、対応スピードをアップしていかければ対抗できない。

 大会の決勝はフィジーが中国を下した。フィジーが五輪予選で、アジアと同じ枠にはいってくるかどうかは不透明ながら、アジアでは中国が少しばかり抜け、日本、カザフスタンが並んで追いかける状況とみる。もちろん香港やタイも侮れない。

 日本はいいチームになってきた。中村知春キャプテンのほか、FWに円盤投げから転向してきた

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