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ドラクエXはなぜ楽しいか

植島啓司

植島啓司 植島啓司(宗教人類学者)

 ドラクエ(ドラゴンクエスト)Xが発売になって2カ月が経過した。いろいろネット上で批判も出ているとのことだが、ドラクエがこの世に登場して以来26年間プレイしてきた立場からちょっと発言してみたいと思う。今回からオンラインになって、知らない人たちと組んで戦いに出かけるというスタイルになり、かなり多くの人たちが参加を躊躇したことが知られている。実際これまで出せば300万本、少なくとも100万本は順調に売れていたのに、8月いっぱい、つまり、ほぼ1か月で約50万本というのだから、やはりオンラインの影響は大きかったのかもしれない。これまでのドラクエファンからするとオンラインは邪道なのだ。他人に気をつかってまでゲームをしたくないという心情もよくわかる。しかしそれにもかかわらず、いまぼくはこれまでになくドラゴンクエストXに熱中している。自分でもまったく意外なことである。

 ドラクエはオンラインになってこれまでとは大きく変化しつつあるように見える。それを一言でいうと、戦闘してボスを倒すことを目的としていた従来のロールプレイングゲームからコミュニケーション系のゲームへと変化したということができるだろう。もちろんゲームの目的は相手のボスを倒すことだが、仲間たちは出会った時から戦いに行く途中まで、そして、小さい勝利を積み重ねていくそのプロセスを通してずっとチャットすることになる。時には座り込んで会話を楽しんだり、ダンスしたり、情報を交換したり、贈り物をしあったりして、暖かいチームが出来上がっていく。

 だれでも最初は不安でいっぱいだったはず。どうしたら ・・・ログインして読む
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筆者

植島啓司

植島啓司(うえしま・けいじ) 植島啓司(宗教人類学者)

宗教人類学者。1947年、東京生まれ。東大大学院人文科学研究科博士課程修了後、シカゴ大学大学院留学。NYニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ客員教授、関西大教授、人間総合科学大教授などを歴任。著書に『偶然のチカラ』『心コレクション』『日本の聖地ベスト100』など。競馬通で阪神タイガースのファン。

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