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日米間のルールを明確化し日ハム大谷誕生を願う

松瀬学

松瀬学 ノンフィクションライター

 サプライズのないプロ野球のドラフト会議だった。「逆指名」もどきの手法で1年間“ドラフト浪人”した東海大・菅野智之投手はあっさり巨人の単独指名で落着し、大リーグ挑戦を表明した大谷翔平投手は予想通り、日本ハムの1位指名を受けた。寂しいかな、他球団の参戦はなかった。

 昨年同様、日本ハムの指名が明らかになった時、会場は一番、拍手とどよめきが沸き起こった。「大谷単独指名」である。某全国紙は運動面のコラムで「強行指名」と見出しを打ち、違う紙面で識者の「これは強行指名ではない」とのコメントを載せた。この一貫性のなさは何なのか。

 はっきり言って、日本ハムは現行のルールに従って、粛々と「評価が一番の投手」を指名したに過ぎない。大谷は「プロ志望届」を出しているのだから、プロ野球の12球団が日本の球団に入団する意思があると受け取るのは自然だろう。そこには大リーグ挑戦が含まれているというのであれば、「プロ志望届」を出した段階で意思表示すべきだった。

 たしかにドラフト会議の数日前に大リーグ挑戦の意思を表明した。でも、それは大リーグ球団側の話を聞き、親の反対を押し切ったあとの決断である。ダルビッシュやイチローにあこがれ、大リーグを夢見るのはわかる。でも日本で生まれ、日本で育ったのだ。まだ18歳。ダルビッシュのごとく、日本のプロ野球を経験してから、FAかポスティングシステムで行けばいいではないか

 ちゃんとマイナーのマイナス面の話も聞いているのだろうか。日本ハムのような育成システムはそう、あるまい。10時間のバス移動はざら、ハンバーガー中心の生活に耐え、厳しい生存競争を勝ち抜かなければならない。言葉や生活環境の違いは想像以上につらい。通訳付きの特別待遇を確約されていると聞くが、そんな選手が中南米出身のハングリーな

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筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

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