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2012年の混戦J1から見えるもの

潮智史 朝日新聞編集委員

優勝を決め、Jリーグ杯を掲げて喜ぶ広島の佐藤(中央)ら=2012年11月24日午後、広島市安佐南区

 シーズン開幕当初からささやかれていた「ちょっと変なリーグ」という印象は最後まで変わらなかった。勝因にしても敗因にしても、万人が納得する説明のできない2012年シーズンのJ1は、サンフレッチェ広島の初優勝、ガンバ大阪の初降格という形で「ちょっと変な」まま、その幕を閉じてしまった。

 

 サッカーを数字で語るのは難しく、危険だということを承知でいわせてもらえれば、いろいろ浮かび上がってくる。

 

 J1が18チームによるホーム・アンド・アウェーによる2回戦総当たりになった2005年以降の8シーズンで、広島の勝ち点64は3番目の低さになる。

 

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の出場権が与えられる3位の勝ち点(浦和レッズの55)は過去最低で、J2に自動降格する16位の勝ち点(ヴィッセル神戸の39)は過去最高の数字だ。いかに上位から下位までの間が詰まった混戦リーグだったかを物語っている。

 

 では、この混戦リーグの理由をどう読み解くか。

 

 日本代表選手に占める海外組の割合が増えるいま、トップ選手が国外にプレーの場を求めてリーグ全体の選手層が薄くなっていることはあるだろう。各チームの選手層に目を向けても同じ印象は強い。

 

 広島にしても、ガ大阪にしても、

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