潮智史
2013年01月12日
2011年のJ1(Jリーグ1部)王者である柏レイソルが1―0でガンバ大阪を退けた一戦は、ともにアジア・チャンピオンズリーグの出場権がかかっていた。とくにJ2(Jリーグ2部)降格が決まったガンバ大阪にとっては、自身の質と価値あるチームであることを証明し、さらに降格の傷を癒やす絶好の機会になるはずだった。
パスをつないでボールを保持するボール・ポゼッションばやりの日本サッカー界において、ガンバ大阪はその大家といっていい存在だ。ボールを自ら動かしている間は攻められることはなく、守備を強いられる相手は時間の経過とともに疲労を蓄積する。支配率を高めることは、すなわち勝つ可能性を上げることになるというスペインの名門クラブ、バルセロナに通じる考え方に裏付けされたものだ。
論理的にはそうなのだが、天皇杯の決勝はガンバ大阪の思惑とは違った経過をたどり、違った結果に行き着いた。
日本代表の遠藤と今野を中盤に配置したガンバ大阪は立ち上がりからボールを支配してチャンスを作り続けてはいた。柏レイソルはボールの動きを後追いする形で、なかなか奪い返せない。いつ失点してもおかしくないような展開だった。
ガンバ大阪に災いしたのは、
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