松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター
ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
松瀬学
まず高校の強豪チームを取材して常々感じているのは、指導者の特別扱いである。だいたい学校の部活の顧問は「絶対的な」立場におかれがちだ。その上、学校の評価を高めるものだから、学校側が指導者を甘やかし、少々の身勝手を許す空気となる。
公立高校なのに、なぜバスケットボール部の顧問の教諭が18年間も転勤なしという特別扱いを受けていたのか。高校の近くに学校に無許可で「部員寮」を借りていたのか。これは仕組みの問題である。
しかも桜宮高校では一昨年、バレーボール部の顧問が体罰をして処分されている。その際、バスケットボール部でも体罰があるとの情報が寄せられていたのに、校長は疑惑を解明することができなかった。校長の職務怠慢か、体罰の認識の甘さか。あるいは隠ぺい心理が働いたのか。
いずれにしろ、学校にはびこる閉鎖性、隠ぺい体質は排除しなければならない。教員同士がチェックし合い、特定の部活の特別扱いを排除し、「体罰」の芽をつみとる努力をしないといけない。見て見ぬふりをしないよう、教員同士のコミュニケーションを図り、互いに指導法をチェックし合うべきである。
まだ昭和の時代。取材でバレーボール部の体罰を目撃したことがある。たしか、
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