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長友佑都が愛される理由

潮智史

潮智史 朝日新聞編集委員

 サッカーの日本代表チームにあって、代えのきかない選手はだれか。

 いろんな意見はあるだろうが、セリエA(イタリア1部リーグ)のインテル・ミラノでプレーする長友佑都の名前を挙げれば、ザッケローニ監督も含めて異論はでないはずだ。

 2月24日にあったACミランとのミラノ・ダービーでは正確なクロスからアシストした。1―1の引き分けに終わったが、170センチの小柄な日本人選手が大きな存在感を示した。この試合では左ひざを痛めて、途中交代。3月26日にワールドカップ最終予選のヨルダン戦を控えるだけに、早い復帰が待たれる。長友が使えないとすると、DF陣のやり繰りはザッケローニ監督を悩ませることになるだろう。

 26歳の急成長には目を見張る。2008年5月に日本代表に初めて呼ばれて、まもなく5年。欧州でもビッグクラブのひとつであるインテルの青と黒のユニホームを着てピッチを駆ける姿は実に堂々としている。体中から自信がみなぎっているようなプレーぶりだ。インテルとの契約は2016年6月まで延長されたばかり。監督が次々と交代するインテルでいかに大切にされているかを物語っている。

 選手として愛される理由は、「よれない強さ」にあると思う。

 まず、身長差を感じさせない接触プレーの強さ。体をぶつけ合っても倒れず、急激なスピードの変化にも対応できる。1対1の球際の強さは世界的な選手といっていいだろう。一口にフィジカルの強さといわれるが、これを武器にして世界に出ていった選手は数少ない。同じセリエAで活躍した中田英寿ぐらいしか思い浮かばない。

 長友の体がよれない理由としてよくいわれるのが、体幹の強さである。インナーマッスルを鍛え上げた成果だが、日本代表に初召集された当時の岡田武史監督がその強さに驚いたことがあった。

 岡田監督はワールドカップ4強入りを宣言し、代表チームのトレーニングに体幹強化を積極的に採り入れていた。

 ある日、体幹トレーニングを見渡していて、どのメニューも簡単にこなしてしまう長友に気づいたという。当時、インナーマッスルのトレーニングはサッカー界ではそれほど一般的ではなかっただけに、姿勢が崩れない長友の強さは際立っていた。

 トレーナーが長友から聞いた話で腑に落ちたのが、長友が子どものころに習っていた

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筆者

潮智史

潮智史(うしお・さとし) 朝日新聞編集委員

朝日新聞編集委員。1964年生まれ。87年入社。宇都宮支局、運動部、社会部、ヨーロッパ総局(ロンドン駐在)などを経て現職。サッカーを中心にテニス、ゴルフ、体操などを取材。サッカーW杯は米国、フランス、日韓、ドイツ、南アフリカ、ブラジルと6大会続けて現地取材。五輪は00年シドニー、08年北京、12年ロンドンを担当。著書に『指揮官 岡田武史』『日本代表監督論』。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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