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グーグル・グラスは 夢の提案、実際の利用シーンは?

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

 スマートフォンに続く端末はウェアラブルだという。グーグルがメガネ状の端末「グーグル・グラス」を発表し、すでにモニター利用した使い勝手についてネット上で語られている。それによると話題の中心は同端末に盛り込まれた顔認証機能がプライバシーを高度に侵害するのではないかという危惧についてである。

 メガネ形状の端末そのものの問題があればグーグルがわざわざ発表しないだろうから、使おうと思ったときの、先端的ユーザーによる使い勝手という点では、おそらく問題ないのだろう。

 しかし、それだけでインターフェースや端末形状が簡単に変化していくものではない。2012年02月17日拙稿「インターフェースは、単純な進歩はしない」に記したことを要約する。これはタブレットPCの出現によってJISキーボードは消えていくのではないか?という問いかけに対する答えだ。本稿に係る論点そのままと言っていい。

◆パソコンからキーボードを消す技術は、とっくの昔に実現しており、消えるキーボードは消え、残したいキーボードは残っている。
◆人間工学的にもっとも優れたインターフェースが商品として生き残ってきたという歴史はない。個別アプリに特化した端末に、個別最適化されたインターフェースが、いくつかのマーケティングの結果として、残るだけ。
◆マイクロソフト、アップル、グーグル、のいずれかが提案すれば、そのいくつかの提案の中で選ばれていくだろう。正直、その可能性は低い。

 主に腕時計型という形態で、ウェアラブルのテレビ・ラジオ(1970年代以降)も、ウェアラブルのケータイ(2000年代以降)も、初登場以来、消費者はまったく受け入れなかった。毎回、今度こそ本物だという触れ込みにもかかわらず。

 ほとんどの個人用端末が、ポケットに入る、ハンドバッグに入る、服にピン止めできる、という点ですでにほとんどウェアラブルであり、わざわざ手以外の身体に密着している状態を作り出す必然性が、もうない。

 一部スマホは、むしろ躯体を大きくしてきている。少なくとも徒歩移動に割く注意力とのバランスにおいて、現在のJISキーボード、ガラケーのテンキー、スマホのタップを代替するインターフェースとしてグーグル・グラスや腕時計型スマホ(アップルやサムスンが開発中との報)といったウェアラブルが大規模に出現することは、100%ない。

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

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