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代表に必要な合言葉は「本田頼みはしない」

潮智史 朝日新聞編集委員

 5回連続のW杯出場を決めた豪州戦で、長友佑都が言っている。「出場は通過点にすぎない。1年後に世界で戦うためにさらなる成長が必要だ」と。一夜明けた記者会見で「ほっとしている」と話したのは主将の長谷部誠だった。

 彼らにとって、アジアの予選を突破してW杯に出るのは最低限の義務みたいなものなのだろう。それでも、豪州戦翌日のメディアでは4年に1度繰り返される大騒ぎが始まった。来年夏の本大会までお決まりのお祭り騒ぎが続くのかと思うと、少しうんざりした気分になっているのも正直なところだ。

 そんな気分になったのは、豪州戦がそれほど楽観できないパフォーマンスだったことにもある。
 ザッケローニ監督は試合前日の早朝に欧州から帰国したばかりの本田圭佑と岡崎慎司を先発から起用した。欧州組が日本代表チームの半数を超えたいま、移動距離や時差も乗り越えなければならないテーマになった。フィジカルコンディションを重視する監督が同じような状況で、特定の選手に頼るように先発させたケースは記憶にない。
 もともと、

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