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年間通しての攻撃力の安定が錦織の次の壁

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

 プロテニスのワールドツアーは現在、男女ともほぼ同じく、1月第1週から10月最終週(男子個人・団体の年間最終戦だけ11月前半)まですき間なく毎週行われ、直近52週間(1年分)の勝ち上がりに対して定められた「エントリーランキングポイント」から自動的に算出されるランキングが毎週月曜(前週のトーナメントは原則日曜に終わる)に発表され、このランキングによって大会への出場資格とシード順位が決まる。

 錦織圭選手については、2011年晩秋(バーゼルで世界1位ジョコビッチに勝ち準優勝など)~2012年1月の全豪オープンベスト8で得たポイントで10位台後半まで上げたランキングを、2012年晩秋の東京(楽天オープン)の優勝でかろうじて補い、2013年3月のメンフィス(東京と同じ「ATP500」級の大会)の優勝で再び自己最高の15位に戻して、全仏オープンに臨んでいる。

 その間、2013年1月の全豪オープンベスト16は日本人史上初の2年連続ベスト16の快挙ではあったが、昨年がベスト8であったゆえにランキングとしては7カ月ぶりに20位台に下げる結果となっている。今回の全仏オープンベスト16(4回戦進出)は、錦織の52週間のポイント構成としては初めて、4大大会(全豪、全仏、全英、全米)ベスト16×2つ+「ATP500」級のツアータイトル×2つとなり、先月フェデラー(31歳ながら現在世界3位、史上最強の実績を誇る、錦織のアイドル)に勝った「ATP1000」級のマドリッドのベスト8(4大大会ベスト16と同等)を足して、6月10日付では自己最高を更新する13位となっている。去年のみの特殊現象であるロンドン五輪(「ATP500」級より少し上の設定)のベスト8がいかに「軽い」かもご理解いただけるかと思う。

 以上が錦織の世界ランキングをめぐる基本的な仕組みだ。競争条件が何もかも違う75年前との比較はもはや問題にならない、過酷な国際競争の中で日本史上最強の男子選手としてトップ10を目前にしていることは事実である。

 トップ10に入るには、上記の成績を続けた上でさらに年間でもう一段階上のランキングポイントを得ること、具体的には来たる6月末の全英オープン(ウインブルドン)と8月末の全米オープン(いずれも昨年はベスト32)でベスト16以上に

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

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