2013年06月22日
日本食ブームといわれる。
海外にある日本食レストランは、実に5万5000店にも及ぶ。殊にここ数年、すごい勢いで増え続けている。ひと昔前の「天ぷら、寿司」のフレーズではなく、豆腐や味噌汁などがヘルシーの代名詞になっているほど、日本食は自然派健康志向の人々に定評がある。海外の雑誌、小説、ドラマなどで日本食が話題に挙がっているのを見るにつけても、いかに注目を集めているかが窺い知れる。
しかし、日本食はそれほど世界に認知されているのか。
実際、海外の日本料理店で日本人が経営しているのはわずか5パーセントほどだ。95パーセントは各国の現地の方だという。旅行先で、日本食レストランに入ったところ、変てこな日本料理が出てきてビックリしたという話をよく聞くが、「寿司とヤキトリのなんちゃってレストラン」が世に氾濫している。
そこで満を持して提案されたのが「食の伝道師」である。
先ごろ、クールジャパンの推進会議で、美濃吉社長・佐竹力總氏が提案したことばがクローズアップされて取り上げられたものだ。
「中世、キリスト教普及のために伝道師が派遣されたように、日本の食文化を世界に知ってもらうためには、正当な日本料理を身につけた人が、海外で日本料理の指導にあたってもらわねば。そのためには、まず人材育成が急務」と佐竹氏は語る。
食の伝道師は、日本人ばかりとは限らない。海外の料理人が日本で料理の技術を学んで、自国で生かしてもらえればと考えている。
「ところが、それには法的な就労条件が大きな壁になっています。日本で料理の修業ができる環境を整えなければならない」と佐竹氏。この件に関して、京都市はすでに動き出していて、日本料理店で海外の料理人が修業できるよう、就労受入れ(地域活性化総合特区)の認定を国に申請している。
数年前、吉兆嵐山店の徳岡氏のもとに、スペイン人が修業に来たと話題になったが、わずか3か月のことで
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