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コンフェデで見えた世界の潮流と日本の弱さ

潮智史 朝日新聞編集委員

 コンフェデレーションズ杯の目標について、本田圭佑が「優勝するつもりでやっている」と話したことにケチをつける気はさらさらない。

 自信満々で乗り込んだ大会で3戦全敗。鼻っ柱を折られ、力のなさを思い知らされた。「どの程度できるだろう?」という淡い期待もつかの間。日本が成長度以上に、世界はもっと先に進んでいたということなのだと思う。
 各大陸王者が集まる大会全体を見渡して、改めて感じるのはその序列が変わらないことだった。欧州、南米の2大勢力が揺るがないことは予想通りだったとしても、メキシコ(北中米・カリブ海代表)、ナイジェリア(アフリカ代表)の第2勢力がこれに続き、残念ながら日本(アジア代表)、タヒチ(オセアニア代表)が最も遅れている。
 日本は欧州、南米との差を縮められていないどころか、メキシコ、ナイジェリアとも差を広げられていた印象だった。
 世界的な潮流として、その色が鮮明になっていたのは、相手からボールを奪うためにより大きなエネルギーを注ぐ傾向だ。
 日本では守備というと、自陣ゴール前に深く引いてゴールを守ることをイメージしがちだ。いわば相手の攻撃を待ち受ける形だが、世界のトップクラスは果敢にボールを持つ相手を追い回し、より相手ゴールに近い場所でボールを奪うことに力を入れている。最後尾のDFラインを高く保つ分、自分たちのゴールとDFラインの間に広大なスペースを残すリスクは承知の上。より前でボールを奪取することで、奪ったあとの効率いい攻撃につなげる発想を持っている。つまり、相手ゴールに近い位置でボールを自分たちのものにして速攻につなげてゴールを奪う明確な狙いを持つのだ。
 この考え方は、前回の2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で初優勝したスペインがつくってきた流れだ。スペインといえば、その美しいパスワークに目がいきがちだが、ボールを失った瞬間からボールを追い回す激しい守備が必ずセットになっている。攻守にハードワークする泥臭さを戦い方の土台にしているのだ。
 今回の決勝では、優勝を義務づけられていた開催国ブラジルが ・・・ログインして読む
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筆者

潮智史

潮智史(うしお・さとし) 朝日新聞編集委員

朝日新聞編集委員。1964年生まれ。87年入社。宇都宮支局、運動部、社会部、ヨーロッパ総局(ロンドン駐在)などを経て現職。サッカーを中心にテニス、ゴルフ、体操などを取材。サッカーW杯は米国、フランス、日韓、ドイツ、南アフリカ、ブラジルと6大会続けて現地取材。五輪は00年シドニー、08年北京、12年ロンドンを担当。著書に『指揮官 岡田武史』『日本代表監督論』。

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