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『いびつな絆 関東連合の真実』が明らかにした「関東連合」の正体

小野登志郎 ノンフィクションライター

 関東連合の元幹部が書いた暴露本『いびつな絆 関東連合の真実』(宝島社)が売れているという。書いたのは元関東連合を名乗る工藤明男という人物だ。著者はこう書いている。
 「本書は事件の解明と、これからの刑事裁判で争われるであろう、見立君の捻じ曲がった“方針”に対抗するために執筆した。刑事裁判を意識して、私に立証責任が負える範囲でしか書いていない。すなわち私の上梓した本書が、そのまま刑事裁判における参考人調書となるように執筆したつもりだ。私が刑事裁判で証言を求められれば、そのまま証言できる内容になっている」
 これが執筆の動機だという。
 それ故か、五章、六章は事件関係者と首謀者とされ海外逃亡している見立真一容疑者と他のメンバーとの出頭を巡る“軋轢”に当てられている。
 この本は内部にいたものしか書けない生々しいもので、いわゆる関東連合なるものが如何なるものだったのかということを白日の下にさらしている。
 著者が言うには、現在「半グレ」という風に捉えられている元関東連合の実態は暴走族関東連合の中の、ある世代だけだという。
 「一口に『関東連合』と言っても『暴走族としての関東連合』の現役はS58年生まれの世代を最後に一人もいない。さらにいえば、過去の歴史がどうであれ、私たちの前の世代の『関東連合』と私たちは関係ないとも考えている。この後詳しく書きたいが私たちは自分たちの『6世代』以外を、今世間で言われている『関東連合』としては認めていない。関東連合のOBに対しても、年齢がいくつ上であろうが『関東連合の先輩』として敬うことはない。私たちは先輩・後輩という関係性については

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