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吸い込むが吐き出せない暗黒巨星Google

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

 Googleが15年を迎えたという。世界中の情報をすべて集めて整理する、という志で始まった同社が、その結果何をなしたか、ドライに考え直してみる。

 さまざまな意見があろうかと思うが、社会を変えたと言えるにインパクトをなしたことは、(1)検索エンジンを作ったこと、(2)YouTubeを買って育てたこと、(3)Android OSを買って育てたこと、に絞ることができ、またその3点に限られるだろう、と筆者は考える。

 検索エンジンをつくったことはもともと同社創業目的であり、インターネット上の情報が膨大になること、その膨大な情報を探し出す機能が必要になること、それが最大のポータルサイトとなることを予見しきったこと、技術的優位をもってヤフーも含めた他社を凌駕して巨大化してきたこと、同じアカウントでアクセスできる地図や写真やスケジュールも含めたプラットフォームを作ってしまったこと、は世紀をまたがっての最大の社会貢献と言ってよい。

 しかし、検索は目的に対する手段でしかなく、検索エンジンの技術や方法論自体は偉大と言うべきだが、SEM/SEOを含めたGoogleの収益構造自体は、メディア流通の必然であって何も新しい出来事ではない。情報格差を埋めてくれる機能に対する報酬は昔から「往訪回数なり質問時間なりの単位ごとの単価課金」として存在しており、これを検索数という形で定型化し集約したものが、現代に至り規模を得てコストに見合うように

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