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グーグル・リーダーの撤退で 激変するニュースリーダー市場

野々下裕子(フリーランス・ライター)

 今年3月、グーグルが利用者の減少を理由に同社のRSSサービスである「グーグル・リーダー」を7月1日付で終了すると発表した。

 RSSサービスとは、ニュースサイトやウェブサイトのタイトルや内容を、RSSと呼ばれる簡略なフォーマットで要約して読めるようにするもので、ニュースのタイトルを一覧して表示できることから、ニュースサイトの定期購読に便利なツールとされてきた。

 ところが、個々のニュースサイトが個別に開発したアプリを次々と起動してニュースを読む、というスタイルが定着。その結果、自分で購読サイトを選んで登録する必要があるRSSの利用者は減り、かのグーグルもサービス撤退に至ったというわけだ。

ソーシャルな情報を元に個人別に情報を収集配信

 とはいえ、RSSリーダーが衰退の一途にあるというのは、以前からよく話題にのぼっていたことではある。大量の情報があふれるネットの中から自分のニーズに合う情報を見つけ出すのはなかなか難しく、RSSリーダーを駆使しても時間がかかり、重複する話題ばかり読まされることも少なくなかった。

 さらに、ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアが登場し、大量のタイムラインを読む時間まで必要になってきた。

 そこで登場したのが、ソーシャルで話題になっているニュースをピックアップして読む、「ソーシャルニュース」という発想である。ネット全体で話題になっているニュースをキャッチできるだけでなく、お気に入りの目利きが選んでくれた情報だけを効率良く読むことができる。

 種類としては、「はてなブックマーク」のようなソーシャルブックマークサービスや、「NAVERまとめ」のような関連情報を編集したまとめサービス、そして、日本上陸で話題になった「ザ・ハフィントン・ポスト」のような、ブロガーによるニュースサイトも含まれる。

 代表的なサービスの一つであるフリップボード(Flipboard)は、当初はツイッターなどのタイムラインを写真付きで読めるクライアントの一つだったが、現在は気になるカテゴリーやニュースサイトを追加でき、それらの情報をまとめて読めるソーシャルニュースリーダーサービスへと進化している。

 それらの多くは、スマートフォンやタブレットでの表示に特化し、投稿を写真付きでまるで雑誌のように自動で配置して見せる。その影響で、ニュースサイトが、トップページに印象的な写真やビジュアルを大きく掲載するようになった。

 そして、それらよりもソーシャルニュースをさらに進化させた、RSSの購読性を組み合わせたような、新しいニュースを読むためのサービスも登場しはじめている。特徴は

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