メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

スパイと記者を同一視した秘密保護法案

川本裕司 朝日新聞社会部記者

 特定秘密の漏洩や取得行為の共謀の遂行を共謀し、教唆し、扇動した者は5年以下の懲役に処する――。25日に閣議決定し、国会に提出される予定の特定秘密保護法の24条の条文は、外国のスパイを想定しているという。しかし、修正前の法案の政府原案は、取材行為が処罰の対象と見なされうる規定だった。政府と自民党、公明党の修正協議の末、知る権利のための「報道または取材の自由」に十分配慮し、「取材行為」を正当な業務による行為と認めた。ただ、法案の骨格は変わっていないという懸念は根強い。
 法案を担当する内閣情報調査室の能化(のうけ)正樹次長(外務省出身)は9月20日、マスコミ関係者を対象にした会合で「特定秘密保護法案と報道の自由への影響」をテーマに約1時間話したあと、質疑応答があった。
 修正協議される前の段階だったが、「取材の自由を侵すものではない」「政府が広めに特定秘密を指定して隠すという指摘があるが、そういう所存はない」「米国では秘密指定が7000万件以上、日本の防衛秘密は42万件強。日本の秘密指定の数が多いというわけではない」と、懸念を払拭しようとする説明を続けた。
 法案が成立した場合に取材への影響を不安視する質問に対しては、「行政が『特定秘密でしゃべれない』と言うかもしれないが、根気強く取材してもらうしかない。対象者の人権を蹂躙しない通常の手段、方法による取材の場合、罰則には当たらない」と答えた。
 特定秘密の取得行為として(1)人を欺き、人に暴行を加え、又は脅迫する行為(2)財物の窃取(3)施設への侵入(4)不正アクセス行為(5)(2)~(4)以外の特定秘密の保有者の管理を侵害する行為、が掲げられて、懲役10年以下の罰則となっている。
 (3)の具体的な規定についての質問に対しては、「施設のどのフロアとか、何メートル以内はだめとは申し上げられない。また、通常、特定秘密については職員は自宅に持ち帰らないし、施錠できる部屋や金庫に厳重に管理される」と述べた。 「報道の自由を法律に書くべきだという声がある。知る権利についてもどう書くか、前向きに検討している」とも語った。
 会合が終わったあと、「特定秘密の取得行為の教唆とはどういう意味か」と個人的に尋ねた。すると、「取得行為の共謀、教唆、扇動という条文は、外国のインテリジェンスを想定したものだ」という答えた。官僚に対し

・・・ログインして読む
(残り:約678文字/本文:約1667文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを経て、19年5月から大阪社会部。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

川本裕司の記事

もっと見る