メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

日本人のマラソン好きは座禅に通じる?

菘あつこ フリージャーナリスト

  秋風が吹いて、これからいよいよ本格的なマラソンシーズンがやってくる。私が住む関西でも、10月27日に大阪マラソン、11月17日には神戸マラソン、そして年があければ2月16日に京都マラソンと3都市でフルマラソンが開催される。東京に目を移せば、2月23日には東京マラソン。ほかにも大小様々なマラソン大会が日本全国で行われるようだ。

 日本で、こんなに都市型フルマラソンが増えたのは、2007年に東京マラソンの第1回大会が成功して以降のことだろう。まだ、ここ10年にも満たない。

 私は15年~20年前、マラソンやトライアスロンに夢中になり、さまざまな大会を走っていたのだが、その頃、日本には都市での市民参加型フルマラソンというものはなかった。東京国際女子マラソン、大阪国際女子マラソン等、実業団やオリンピック級の選手が走るエリートマラソン(誰でも参加できる「市民マラソン」という言葉に対して「エリートマラソン」と呼ばれていた)は都市で行われていたが、そういったマラソンは交通規制の時間も短く、気軽に走るといったものではなかったと思う。基準タイムをクリアすれば、一般市民も参加可能ではあったが、狭き門という感じだった。

 一方、当時から会社員や主婦など普通の暮らしをしながらマラソンを走る「市民ランナー」は、今ほどでないにしてもそれなりにたくさんいて、関西なら、篠山マラソンや福知山マラソン、全国で言えば、掛川マラソンや、フルマラソンではないけれど東京の青梅マラソンなど、比較的交通量の少ない地域で、制限時間5時間程度で開催されていた。もっと時間を掛けて走りたい人は、ハワイのホノルルマラソンに出たり、沖縄や鹿児島県のヨロン島の大会などに出ていたのではないかと思う。

 だが、当時から、世界に目を移せば、ニューヨーク・シティ・マラソン、ロンドン・マラソン、パリ・マラソンといった大都市を駆け抜けるマラソン大会はあって、オリンピック級の選手から初めてマラソンを走る人までが、同じ日、同じ時刻の号砲で同じコースを走るというものは行われていた。

 私はマラソンの何が魅力かって、一番の魅力は、この「同じ日、同じ時刻の号砲で同じコースを走る」ということではないかと思う。老若男女、オリンピック選手も初心者も、 ・・・ログインして読む
(残り:約991文字/本文:約1945文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。
Journalismの記事も読めるのは全ジャンルパックだけ!


筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

菘あつこの記事

もっと見る