2013年10月25日
秋風が吹いて、これからいよいよ本格的なマラソンシーズンがやってくる。私が住む関西でも、10月27日に大阪マラソン、11月17日には神戸マラソン、そして年があければ2月16日に京都マラソンと3都市でフルマラソンが開催される。東京に目を移せば、2月23日には東京マラソン。ほかにも大小様々なマラソン大会が日本全国で行われるようだ。
日本で、こんなに都市型フルマラソンが増えたのは、2007年に東京マラソンの第1回大会が成功して以降のことだろう。まだ、ここ10年にも満たない。
私は15年~20年前、マラソンやトライアスロンに夢中になり、さまざまな大会を走っていたのだが、その頃、日本には都市での市民参加型フルマラソンというものはなかった。東京国際女子マラソン、大阪国際女子マラソン等、実業団やオリンピック級の選手が走るエリートマラソン(誰でも参加できる「市民マラソン」という言葉に対して「エリートマラソン」と呼ばれていた)は都市で行われていたが、そういったマラソンは交通規制の時間も短く、気軽に走るといったものではなかったと思う。基準タイムをクリアすれば、一般市民も参加可能ではあったが、狭き門という感じだった。
一方、当時から会社員や主婦など普通の暮らしをしながらマラソンを走る「市民ランナー」は、今ほどでないにしてもそれなりにたくさんいて、関西なら、篠山マラソンや福知山マラソン、全国で言えば、掛川マラソンや、フルマラソンではないけれど東京の青梅マラソンなど、比較的交通量の少ない地域で、制限時間5時間程度で開催されていた。もっと時間を掛けて走りたい人は、ハワイのホノルルマラソンに出たり、沖縄や鹿児島県のヨロン島の大会などに出ていたのではないかと思う。
だが、当時から、世界に目を移せば、ニューヨーク・シティ・マラソン、ロンドン・マラソン、パリ・マラソンといった大都市を駆け抜けるマラソン大会はあって、オリンピック級の選手から初めてマラソンを走る人までが、同じ日、同じ時刻の号砲で同じコースを走るというものは行われていた。
私はマラソンの何が魅力かって、一番の魅力は、この「同じ日、同じ時刻の号砲で同じコースを走る」ということではないかと思う。老若男女、オリンピック選手も初心者も、
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください