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ジャパン・ウェイが大学ラグビーにも浸透~ブレイクダウン技術に進歩

松瀬学 ノンフィクションライター

 節目の第50回全国大学選手権ラグビーは、帝京大の空前の5連覇で幕を閉じた。『帝京の時代』と言ってもよい。ラグビースタイルに目を向ければ、日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)が標榜する「ジャパン・ウェイ(日本流)」が浸透し、とくに各大学のブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)技術の向上が目に付いた。

 ジャパン・ウェイとは、シェイプ(連動した攻撃で相手守備網を崩すこと)を重ねてディフェンスを崩し、トライを奪う高速展開の戦法を指す。帝京大は個々のフィジカルの強さを武器に、ブレイクダウンでボールを連取し、トライを重ねた。決勝でも、ブレイクダウンで早大を圧倒し計6トライを奪った。

 驚いたのは、接点の強さとブレイクダウンでの基本技の確かさである。フィジカルが強いから、接点で確実に一歩、二歩前に出る。ボールを下に置くダウンボール技術も基本に忠実。すかさず二人目が低く激しく相手をクリーンアップする。ディフェンスで、相手の寄りが遅ければ、すかさずターンオーバー(ボール奪回)を狙う。
 大事なのは、二人目の一瞬の判断力、集中力である。帝京大が大事にするリロード(素早く立ち上がり、次のプレーに移ること)も日本代表の強化ポイントのひとつなっている。決勝で敗れた早大も、ブレイクダウンの際のリロードが早かった。

 なぜ、ブレイクダウンが強いかと聞くと、帝京大の岩出雅之監督は「根気強くやっている練習のたまもの」と答えた。

 「ベースとなる肉体をつくっていることもあるが、はやい判断、いいイメージを持つようにしている。人数が集まってきてからはそう簡単には相手を崩せないから、まずは最初のプレーを激しくやろうとしています」
 帝京大は今季、『打倒!トップリーグ(TL)トップ4』も目標にしている。社会人チームを倒すためにも、ブレイクダウンのレベルアップはマストだった。

 帝京大が図抜けた強さを印象付けたが、大学選手権ベスト4のチーム(帝京大と早大、筑波大、慶大)には、いずれも「接点のはやさ」があった。一瞬の仕掛け、動き出し、圧力といってもいい。タックルのはやさ、ブレイクダウンでの2人目のはやさ、予測や判断のはやさである。ここでは「アンティシペーション(予測)」が大事なのだ。

 関東リーグ戦1位の流経大などは ・・・ログインして読む
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筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

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