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[5]フィギュアスケートの醍醐味を堪能できた団体戦。今後はペアの環境が改善されるだろうか?

青嶋ひろの フリーライター

 フィギュアスケート団体戦のフラワーセレモニー(メダルセレモニーは翌日、屋外の特設会場で行われる)。これまでも大人数で表彰台に上がるチーム戦の表彰式は見てきたが、オリンピックでは初めてとなる。なんとも豪華なセレモニーだ。

 アメリカは8人、カナダは9人、ロシアは10人と、チーム構成によってメダリストの人数が違うのも、ちょっと面白い。特に総勢10人で金メダルを勝ち取ったロシアチームが、全員で歩を合わせて表彰台に登ろうとする姿はなんとも微笑ましく、彼ら全員で勝ち取った栄光に心からの拍手を送りたくなった。

団体で優勝し、表彰台で歓声に応えるロシアチーム(中央)団体で優勝し、表彰台で歓声に応えるロシアチーム(中央)
 しかも4度目のオリンピックとなる31歳のプルシェンコも、初めてのオリンピックとなる15歳のリプニツカヤも、同じチームにいることがまた素晴らしい。ペアのボロソジャール&トランコフやダンスのイリニフ&カツラポフも含め、記念すべき初代の団体戦優勝チームにふさわしい、ロシアのスターたち。

 偶然ではあるが、00年代からスケート界を牽引してきた世代の代表として、プルシェンコ、これからのスケート界のリーダーとなる世代の代表、リプニツカヤ。綿々と連なるロシアの伝統を象徴するスターが一堂に会しての金メダルも、感動的だ。まさに国を挙げて勝ち取った、団体戦の勝利だろう。

 こうなってみると、やはり日本チームにも団体戦のメダルが欲しくなってしまう。4年後、男女シングルが強さを維持し、カップル種目育成も進み……この場所に日本チームが立つ姿を、観ることができるだろうか? ピョンチャン五輪に向けて、ひとつ大きな楽しみが増えたかもしれない。

 またこうして団体戦がオリンピック種目として認知されたことで、フィギュアスケート界のバランスが変わることも期待できそうだ。

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