メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

3.11から3年、復興予算流用のその後

福場ひとみ ジャーナリスト

 復興予算が沖縄の道路や東京・霞が関の庁舎など、被災地とは関係のない場所に利用されていた。被災地のために復興増税までして用意された国家予算が、国民の気づかないところで、私たちの税金が本来の目的と異なることに利用されていた。

 流用問題が騒動となったあと、復興予算は足りないと追加され、現在復興予算の予算規模は25兆円となっている。それもそのはず、当初「5年で19兆円」とされていた復興予算は、流用によって2年間で18兆円がすでに使い切られてしまったためである。

 当時の政権の「復興予算は青天井でいい」の掛け声とともに、復興予算は国土交通省、外務省、財務省など、17官庁にばら撒かれた。復興予算は一般会計とは別の特別会計であったため、歳出削減の上限もない。復興予算はまさに美味しい「離れのすき焼き」として振る舞われたのである。

 こうして復興予算の大半は2年で消えてしまったわけだが、問題なのは被災地で本当に復興予算が必要となってくるのがこれから先だということだ。津波被害にあった場所では、かさ上げや高台移転などの工事が始まるのは震災から早くて3~5年後。工事完了に至っては10年後という所もある。合意形成や都市計画の策定など行政手続きに時間がかかり、更地が完成するというゼロ地点にたどりつくだけで10年近くの時間がかかるのが現実だ。

 しかしそれでは、本当に被災地に復興予算が必要になった時に、復興予算はどうなるか。19兆円はすでに使い切ってしまっている。そのことを、被災地の自治体に尋ねると「国は本格的に予算が必要になった際には、予算を用意してくれると聞いている」と答えた。

 国がそう言っているのが本当だとしたら、国民も愚弄されたものである。5年もしないうちに、19兆円の計画のはずが、3年目で25兆円規模となっている。そして今後、さらに復興予算が追加される事態が起きることは間違いないからだ。25年にわたる増税を了承して19兆円を用意したにも関わらず、流用という不真面目な使途を見せつけおきながら、今後も政府は「復興予算が足りない」と言い続けるのだろうか。

 そもそも復興予算の流用騒動を振り返ってみても、見直しがまじめにされたとは言いづらい。2012年10月、衆議院の行政決算監視委員会でこの問題が取り上げられると、国民に流用の実態が知れ渡り、問題視されるようになると、政府は同年12月には復興基本方針が見直した、その使途を再検討した。見直したといっても、それはごく一部でしかなかった。凍結された事業も35事業168億円と、全体の2%程度にすぎなかった。

 それから現在、復興予算がきちんと復興の為だけに使われているようになったかというと、そうではない。というのは、問題とされた被災地外の全国防災も見直されなかったし、すでに契約が終わった事業は見直しされなかったからである。結局、5年で19兆円といった予算のほとんどが2年で使い切られたことからもわかるとおり、復興予算は問題になる前に使い切ろうと意図されていたのである。

 今でも復興予算は復興と関係のないものに「流用」されている。例えば、

・・・ログインして読む
(残り:約1484文字/本文:約2784文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

福場ひとみ

福場ひとみ(ふくば・ひとみ) ジャーナリスト

ジャーナリスト。1976年広島県生まれ。2000年同志社大学法学部政治学科卒業、2004年同大学院総合政策科学研究科博士課程前期修了。政策シンクタンクのスタッフや経済誌編集者を経て現在、「週刊ポスト」などで執筆活動中。復興予算の流用問題を追及し、2013年、第2回自由報道協会賞 調査報道賞受賞。同年、著書『国家のシロアリ 復興予算流用の真相』で第20回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

福場ひとみの記事

もっと見る