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錦織が怪我して来日した経緯と意味と収穫と

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

 本来であれば、本日4月6日には、錦織圭選手の歓喜の声が聞けたかもしれなかったテニスの男子団体戦・デビスカップ(デ杯)のワールドグループ準々決勝が、日本の0勝5敗という形で終了した。No.2の添田豪選手(シングルス世界134位、体調不良で欠場)とともにシングルス18位の錦織の姿は、有明のコート脇、ナショナルチームのベンチにあった。相手のチェコは、エースのベルディヒ(シングルス5位だが対錦織は1勝3敗)が欠場するチャンスではあったが、ステパネク(シングルス47位ダブルス8位)、ロソル(シングルス40位ダブルス57位)、ベセリー(シングルス67位)ら層の厚いメンバーたち、は現在2連覇中にふさわしい実力を発揮して、伊藤竜馬(シングルス146位)、ダニエル太郎(シングルス190位)、内山靖崇(268位、ダブルス192位)の出場した日本をアウェイで完封した。

 1回戦で昨年ベスト4のカナダを錦織の単複3勝で下した際、ラオニッチ(シングルス10位)、ホシュピシル(シングルス25位、ダブルス82位)がけがで欠場したことが大きく影響したが、今回は日本が逆の立場になってしまった。とはいえ、100年も昔の話は別として、プロがワールドツアーを回って40年以上たつ現代のテニスで、世界のベスト8に入った事実は揺るぎない金字塔だ。

 この金字塔を、錦織抜きには語れないが、たびたび筆者が記してきたように、錦織の178cmという華奢な体はワールドツアーを戦う中ですでに満身創痍の崖っぷちに立たされている。今回の股関節の怪我は、前の週で快挙を演じたマイアミのシングルスの試合で痛めたもので、難敵フェレール(シングルス6位)、元王者フェデラー(4位)を下してのベスト4進出も準決勝のジョコビッチ(2位)戦は試合前の棄権となったものだ。もちろん
このマイアミでの勝利も世界18位にとっては十分な快挙であり、昨年末からツアーコーチについたマイケル・チャン氏と準備した成果が最も顕著に出た形となった。

 未だ破られない史上最年少記録で全仏オープンを制し、中国系の小柄な体ながら頑強な筋力と粘りのテニスで1990年代に世界2位を記録した経験と知恵が、チャンにはなかったセンスとスピードを持った錦織の

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

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