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女性の社会進出、正社員でなくても一人暮らしのできる給料に

菘あつこ フリージャーナリスト

 安倍首相は成長戦略の中核に「女性の活用」を掲げているという。それを受けて、今、労働力として“女性の活躍をうながす”、“管理職に女性の登用を積極的に”といった言葉を新聞紙面等でよく目にするようになった。それ自体は喜ばしいことだと思いつつ、ふと頭によぎったのは、もし、今、国がいう「女性の活用」が、別に大黒柱がいる主婦なら安く使っても問題ないだろうなどと、経済界の都合のよい様に考えていたら……コワイなということ。

 「女性の活用」に関しては、タイプの違ういつくつかの問題が重なり合いながら存在していて、それを一つひとつ解決していく必要があると感じている。優秀でも管理職になる女性が極端に少ないという「ガラスの天井」の問題など解決すべき課題はいくつもあるが、なかでも、良い対策がとれれば、多くの女性がより実力を発揮できるようになるだろう問題は「アルバイト、パートを含む非正規雇用を取り巻く問題」ではないかと思う。

 私は今、40歳代半ば。私自身は子どもを産む機会のないままに、転職など働き方を何度か変えながらも、ずっと仕事をしてきたが、周囲の友人たちを見回すと、結婚退職した人、出産を機に仕事をやめた人など様々な女性がいる。そして、同年代を中心に30歳代~50歳代の女性たちを見て、専業主婦、もしくはパートを少しだけしているといった人の中に、それではもったいない潜在的な能力の持ち主がたくさんいるように見える。もちろん、ブランクがある分、すぐにバリバリというわけにはいかないかも知れないが、教育体制、トレーニング体制が整っていれば、若い頃の経験も活かしながら新卒以上に戦力になれる人も多そうだ。そして、子どもが小学校にあがった以降の女性では、「良い仕事があれば働きたい」と思っている人が大半のように見える。

 ではなぜ、彼女たちは本格的に就職しようとしないのか? 一言で言えば「冷静だから」という気がする。今の日本の現実をとてもシビアに見ているのだ。「新卒の女子学生にも仕事がない時代、出産と子育てで10年ほども仕事から離れた私に、昔していたOLのような仕事があるわけはない。せいぜい、時給800円程度のパートだろう。それさえ見つかるかどうか分からない。また、大変な目をして働いても得られる金額はたいしたことがないだろう」。それは、本当に、今の日本の現実だろう。だが、私は、この現実こそ、変えていくべき課題なのではないかと思うのだ。それを変えることは、 ・・・ログインして読む
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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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