2014年06月05日
ワールドカップ(W杯)は何もサッカーだけではない。ラグビーのW杯は来年、英国イングランドで開かれる。エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)率いるラグビー日本代表は目下、着実に進歩している。
先のアジア五カ国対抗で7連覇を達成し、日本は8大会連続となるW杯出場権を確保した。5月30日、W杯1次リーグで対戦するサモア代表にも33-14で快勝した。これでテストマッチ7連勝。これまで「世界トップ10入り」と目標を言い続けてきたジョーンズHCは言明した。
「次のターゲットはW杯の準々決勝(ベスト8)進出」と。なぜ目標を上方修正したのか。結果はともかく、同HCがチームの成長に手応えを感じているからだ。とくに3つ。
なんといっても攻守の起点となるスクラムの安定が目を見張らせる。サモア戦の先発FW8人の平均体重が相手とほぼ同じ112キロ。敵ボールのスクラム7本はすべて押し込み、うち1本がコラプシング(故意に崩す)の反則、1本のターンオーバー(ボール奪取)を得た。マイボールスクラム4本もワンプッシュし、勢いを付けての球出しだった。
8人の結束力(背番号4、5、6、7、8のヒット時の押しを見れば一目瞭然)と、前5人の足腰の強さ(ひざのためを見ればわかる)、コア(体幹)の強靱さが増している。これは元フランス代表のマルク・ダルマゾスクラムコーチの厳しい指導の成果である。
2つ目は、ディフェンス力がアップしている。組織防御の向上もあろうが、何より個々のタックルが確実になってきた、サモア戦でのタックルミスは相手の「11本」に対し、わずか「3本」。ワン・オン・ワンできっちり肩を相手のからだに当てて、足をひたすら掻く。前に出る。コンタクトの強いサモア相手にも十分、通用していた。
接点で前に出る。これは意外と難しい。フィジカルアップと気力充実でないと、でかい相手に対して前に出ることはできない。ディフェンスコーチとして、元ウェールズ代表アシスタントコーチのリー・ジョンソン氏を招聘したことも大きいだろう。
3つ目が、ベースとなる個々の
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