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児童ポルノ禁止法改正で何が変わるのか

川本裕司 朝日新聞社会部記者

 「単純所持」の罪名を導入するかどうか。児童ポルノ禁止法の改正をめぐり、この6年間議論されてきた宿題は与野党の協議でようやく片づき、18日の参院本会議で改正案が成立した。海外より幅が広くあいまいという批判があった児童ポルノの定義を狭めるとともに単純所持を禁止する一方、研究課題にあげられていた漫画、アニメ、CGについては対象から外すという痛み分けで決着した。

 インターネットの普及に伴い、写真や画像を対象とする児童ポルノがネットに流通すると永遠に消せず、被害の深刻さが増していた。自民党は2008年、小委員会を設け、第三者への販売や提供だけでなく単純所持も禁じる法改正を打ち出した。

 これに対し、民主党は「恣意的な捜査につながりかねない」と指摘、単純所持ではなく「有償で、または反復して取得した場合」に限定する対案を出していた。とくに、児童ポルノの画像を添付された電子メールを送られた場合、身に覚えのないまま単純所持で摘発されかねない「冤罪」の可能性を主張していた。与野党の溝は埋まらず、成立に至らなかった。

 児童ポルノの定義として、現行の(1)性交または性交類似行為(2)他人が児童の性器等を触る行為または児童が他人の性器等に触る行為に係る児童の姿態であって、性欲を興奮させまたは刺激するもの、は変わらなかったが、次の3号について修正された。性欲の興奮・刺激の要因として、「衣服の全部または一部を着けない児童の姿態」に加え、「ことさらに児童の性的な部位(性器等もしくはその周辺部、臀部または胸部)が露出されまたは強調されているもの」と限定した。

 単純所持は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となった。現行では児童ポルノ提供のための製造・所持・運搬・輸入・輸出は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、不特定または多数への提供では5年以下の懲役または500万円以下の罰金となっている。

 「自己の性的好奇心を満たす目的の児童ポルノ所持(自己の意思に基づき、当事者であることが明らかな場合)」については、施行から1年間は適用が猶予される。

 衆院法務委員会に委員を出している自民、民主、公明、維新、結いの5党で

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筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを経て、19年5月から大阪社会部。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

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