2014年07月01日
ローマ法王の法衣を思わせる白いローブに身をつつんだ東方神起の2人がまっすぐ正面を見据えたとき、ステージは聖壇になった。バックにはオレンジ色に輝く木。それはよく見ると無数の小さなドットで構成されており、おのおののタイミングで輝き、光を放っている。ドットはあたかも人びとの命の輝き一つひとつのように見え、その前に立つ白い衣装の彼らは、生命をことほぐ神の意思を伝える司祭のようだった。
6月22日にエンディングをむかえ、29公演で60万人を動員した東方神起のライブツアー『TREE』での一場面である。楽曲は「Tree of Life」。タイトルに今回のツアー名を含むこの曲は、人の成長を樹木のそれにたとえ、慈しみあう人と人のありようをたたえる壮大な生命賛歌であり、人類愛に満ちている。恋愛を歌うアイドルはあまたいても、人類愛を歌うアイドルはそうそういない。そして、東方神起ほどの説得力を持たせられる人びとも、そう多くはない。
「神」そのものではなく、神と人とを仲介する「司祭」になろうとする彼らの姿勢を
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