メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

就任から半年、余裕を見せる籾井NHK会長

川本裕司 朝日新聞社会部記者

 7月25日に就任から半年になるのを前に、NHKの籾井勝人会長は22日と23日、ずっと拒んできたマスコミとの個別インタビューに応じた。18日にはNHKのOB・OG172人が呼びかけ人となり、経営委員会に籾井会長に対する辞任勧告か罷免を求めて申し入れをした。就任会見などでの発言についての反発はいまも根強いが、受信料の支払い拒否が当初殺到した批判の電話ほどには広がらず、籾井会長は余裕を示している。

 7月中旬、東京・渋谷のNHKで開かれた外部の人間も交えたパーティーで、籾井会長がNHK役員を紹介する一幕があった。

 「数少ない籾井シンパといわれる板野(裕爾)専務理事」「いちばん真面目な役員である吉国(浩二)専務理事」「いちばん寡黙な木田(幸紀)理事」「部下が営業の業績をあげてくれた福井(敬)理事」……

 吉国専務理事は「何が真面目かわかりませんが」と反応して自己紹介。一方、会長側近と報じられてきた板野専務理事は、籾井会長の紹介に笑うわけにも怒るわけにもいかない何とも複雑な表情のまま、「シンパ」には触れず簡単にあいさつした。

 会が始まったばかりだっただけに、籾井会長の仰天演出はアルコールのせいではない。サービス精神なのか、ボキャ貧なのか、偽悪趣味なのか、真意はつかみかねるが、就任会見のあと国会で連日、辞任の意思はないか、と追及された頃にはなかった余裕のなせる発言だったのは間違いない。

 3月末に2014年度NHK予算が国会で承認されヤマを越したあとは、放送法改正などの審議で国会に呼ばれても場数を踏んだ成果か、籾井会長は落ち着いて答弁をこなした。秘書らから受け取ったメモを手元に置いたあたふたした答弁で「二人羽織」とやゆされたのは過去の話となった。周囲からメモを渡されても、「不要だ」と言わんばかりに突き返す場面も出てきた。

 7月15日にあった定例記者会見では「色んなことがあったが、3月後半ないし4月から現場を回っている。職員と対話し、だんだんNHKに溶け込んでいる実感を持てるようになった」と述べている。

 写真週刊誌「フライデー」7月25日号で、集団的自衛権の行使容認をテーマにしたNHK「クローズアップ現代」に出演した菅義偉官房長官が放送後に激怒したとして、「安倍官邸がNHKを“土下座”させた一部始終」という記事を掲載した。

 官邸からクレームがあったとする記事の事実関係を会見で問われた籾井会長は「何もございませんでした」と否定した。

 ただ、あるNHK関係者は「インタビューの最後が尻切れになったり、国谷裕子キャスターが『しかし』と対応したりしたせいか、官房長官の周辺が終了後、『なぜ、あんな

・・・ログインして読む
(残り:約3822文字/本文:約4960文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞社会部記者

朝日新聞社会部員。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを経て、19年5月から大阪社会部。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

川本裕司の記事

もっと見る