2014年08月26日
朝日新聞紙上で昨年夏から連載「原発利権を追う」を続けている。
今年1月の「東電総務部」以降、九州電力編の「九電王国」、中部電力編の「裏金システム」、そして、関西電力編の「関電の裏面史 独白」と続けた。7~8月に連載した関電編で第7シリーズとなった。
「東電総務部」から「関電の裏面史」までは、共通したテーマがある。いずれも、電力業界と政官界の深いつながりに注目したものだ。
東京に拠点を置く取材班は昨年秋ごろから、名古屋、大阪、福岡の各記者と連携し、このつながりの解明に力を入れていた。
「原発利権」の真相を追っていくと、日本の原発政策を一体となって進めてきた政・官・電の関係が、避けて通れない課題となっていたからだ。
3者の関係で重要な役割を果たしていたのは、電力各社の政治担当である。業界リーダーの東京電力では総務部が政界との窓口役を担っていた。中部電力や関西電力では秘書部がその役割だった。いずれも会社の中枢部署だ。
電力業界では、各社が地域ごとに電力供給を担う「地域独占」体制のため、各社は他の業界のようなライバル関係にはない。原発政策の推進など業界共通の目標のためには、各社の政治担当が一丸となって、政官界に働きかけるような場面もある。
このため、各社の政治担当の横の連携は緊密だ。東日本大震災前は、中央政官界に太いパイプを持つ東電総務部が、業界の政界対策をつかさどり、業界2位の関西電力、3位の中部電力などがそれを助けるという協力関係にあった。
電力業界が重要視する自民党国会議員については、原発をもつ電力9社が事業規模に応じて傾斜配分し、パーティー券を購入するというやり方も、「電力一家」ゆえの政界対策だった。
さらに、主要な電力会社の事情を深掘りしていくと、驚くべき事実が次々と
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