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“奇跡の釜石”めざし、ラグビー19年W杯開催地選定で新たな価値創出を

松瀬学 ノンフィクションライター

 ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会まで、あと5年となった。2020年東京五輪パラリンピックの陰に隠れがちながらも、実はゆるやかに大会準備は進められている。ポイントとなる開催地選定に関し、同大会組織委員会は目下、自治体の開催希望申請を受け付けている。

 締め切りが10月末。関係者によると、申請は「約20の自治体」になるのではないかと予想されている。大会組織委は先週、収入不足を補うため、開催地自治体に「総額36億円程度」の分担金を求める意向を示したが、これは自治体側も織り込み済みのようだ。

 W杯会場は「10~12」となる計画。決定は来年3月で、大会組織委は国際ラグビーボード(IRB)側と申請都市への視察を実施し、検討していくことになる。選定においては、開催に必要なスタジアムの規模や設備などの諸条件、交通機関、宿泊施設などインフラ面だけでなく、大会後のスタジアム活用、開催理念、W杯を通したまちづくりなどが比較されることになる。

 大会収益を考えれば、「集客」が一番大事なことになろう。おのずと、5万人収容できる小笠山総合運動公園エコパスタジアム(袋井市)を持つ静岡県のような、2002年サッカーW杯のスタジアム、ノウハウがある自治体が有利となる。だが収益がすべてではない。

 なぜ、日本でアジア初のラグビーW杯を開くのか。原点に戻る。日本ラグビー協会はラグビーのアジアでの発展・普及を狙い、組織委は収益性にとらわれざるを得なくなる。まずは、いかに全国で地域的にバランス良く会場をおけるかが発展・普及のカギを握るだろう。その上で、どんな有形・無形のレガシー(遺産)をつくろうというのか。ラグビーの盛り上げをどう図っていくのか。

 国内的な課題は、はっきり言って、東日本大震災からの復興である。ならば、岩手県釜石市はシンボリックな候補地となりうる。ラグビーの強豪国の人々も知る、あの日本選手権の7連覇の新日鉄釜石の本拠だった「ラグビータウン」である。

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筆者

松瀬学

松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター

ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。

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