松瀬学(まつせ・まなぶ) ノンフィクションライター
ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、早大卒業後、共同通信社入社。運動部記者としてプロ野球、大相撲、オリンピックなどを担当。02年に退社。人物モノ、五輪モノを得意とする。著書に『汚れた金メダル』(ミズノスポーツライター賞受賞)、『早稲田ラグビー再生プロジェクト』、『武骨なカッパ 藤本隆宏』。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
優れた素材、熾烈な部内競争、恵まれた練習環境の帝京大
大学ラグビーは各地域のリーグ戦を終え、いよいよ全国大学選手権の第2ステージに移る。同選手権6連覇に突き進む帝京大が圧倒的な強さを発揮し、関東大学・対抗戦グループでは早大(55-11)、慶大(48-0)、明大(31-6)といずれも圧勝した。なぜ王者の強さはこうも揺るぎないのか。環境面では(1)大学の支援(2)優れた素材(3)指導者の充実、グラウンド上では(1)フィジカル(2)基本技の確かさ(3)熾烈な部内競争―ゆえである。
やはり大学のサポートとチーム力は比例する。いまや大学日本一のラグビー部は帝京大の看板である。当然、大学側の財政的なサポートも手厚くなる。実績のある選手の推薦枠も他大学と比べると、恵まれている。
岩出雅之監督の地道な努力もあって、いまや練習環境は大学随一であろう。グラウンドは人工芝のメインと天然芝のサブグラウンドが整備されている。ちゃんとした照明施設もない明大から見れば、羨ましい限りだろう。
年々買い足した器具がそろうトレーニング施設も充実している。そこで学生たちはほぼ毎日、計画的なトレーニングに励んでいるのだ。フィジカルコーチ、アスレティックトレーナー、管理栄養士などスタッフもしっかりしている。岩出監督がコーチ陣をまとめているため、指導方針にぶれはない。生活態度、規律も徹底している。
今季からパナソニックのスクラムコーチの傍ら、帝京大のFWコーチを務める元日本代表プロップの相馬朋和さんは「勝つチームの文化が